Planets] 5.0 リリース情報
2015年5月、Planets] 5.0がリリースされました。
今回の主なバージョンアップ内容は以下の通りです。
Planets] 5.0 主なバージョンアップ内容
新機能
スーパーインポーズ法の実装
既存の射出圧縮・プレス成形解析オプション機能に、新しい計算手法としてスーパーインポーズ法(Superimpose Method)を実装しました。
既存の移動境界法では、移動する構造体領域のメッシュを変形させず、一方で流動キャビティ領域のメッシュを変形させることで圧縮変形を表現し、計算を行っていました(いわゆるArbitrary Lagrangian and Eulerian Methodを使用)。そのためメッシュが大きく変形してしまうような移動境界問題には計算上の限界がありました。一方、今回の新手法はメッシュを変形させることなく圧縮変形を表現できるため、従来適応限界のあった薄肉メッシュ変形問題、縦壁移動の問題やメッシュが完全につぶれてしまうような境界条件に対しても対応が可能になりました(いわゆるEulerian Methodを使用)。また流動キャビティ領域のメッシュ形状は六面体以外の四面体なども可能です。

スーパーインポーズ法の解析イメージ図(既存機能との比較)
エアーベント関連機能
エアーベントの形状表示機能、およびパーティングライン上に一括してエアーベントを設置する機能を実装しました。
表示機能では、指定サイズ通りの直方体形状ベントをモデル上に表示するようにしました。またこれまでエアーベント機能はジオメトリモデル上の頂点1つ1つを選択し個々にベントを設定していましたが、本機能を用いることによりパーティングラインのようなライン上の頂点に対しても一括でベントを設定することができるようになりました。
強化された機能
<プリ機能> 注入点の設定の見直し
注入点の設定を見直しました。
- 最大射出圧の設定が解析条件から注入点に移動しました。
- 初期配置の設定を見直しました。ジオメトリでの初期配置と要素の名前選択による初期配置の入力を統合化しました。
<ポスト処理> 計算結果のバックアップ
計算を途中で終了させた場合、またはエラーで強制的に終了した場合でもそれまでの計算の結果を見られるようになりました。