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リリース情報

Multiscale.Sim 2019 R2リリース情報

2019年12月、Multiscale.Sim 2019 R2がリリースされました。


【バージョン統合版】

【注意事項】
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1. Ansys2019R2対応

Multiscale.SimがAnsys Workbench2019R2およびAnsys Mechanical APDL2019R2に正式対応いたしました。Ansysは2019R2のMechanical GUIの仕様変更に伴い、Multiscale.Simの操作方法も若干変わっておりますのでご注意ください。


図1. 新旧バージョンのMultiscale.Simメニュー

2. ミクロモデル作成テンプレート

粒子分散モデルおよび短繊維分散モデル(以下、分散系モデルと呼びます)で様々な新機能および改善がなされました。

2.1 新しいモデル

2.1.1 凝集モデル

分散系モデルに対して、凝集度が定義できるようになりました。旧バージョンでは、粒子配置はランダムに配置されていたため、凝集の影響は考慮できておりませんでした。今回のバージョンでは、凝集度を指定することで、凝集の度合いを定義することができます(下図参照)。


図2. 凝集度の値によるミクロモデルの概観比較

2.1.2 円分散モデル

2Dの直方体エリア内に円を分散されたミクロモデルを作成します。均質化解析では2Dモデルに対応しておりません。通常のAnsysの解析用にご利用ください。

2.1.3 擬似細密充填モデル

球形粒子をユニットセル領域に限界まで詰め込んだモデルを作成します。

2.2. 仕様改善

2.2.1. パフォーマンス向上

2.2.1.1. 並列化処理の対応

これまでモデル作成までに長時間を要していた、分散系モデルの作成プログラムがCPUの並列化に対応しました。ライセンスの必要なく任意の数のCPUを指定することができます。下図のベンチマークに示す通り、並列化オプションを有効にすることでモデル作成の高速化が期待できます。


図3. CPU並列化オプションによるモデル作成時間の比較例
2.2.1.2. パッキングアルゴリズムの改善

分散系モデルのパッキングアルゴリズムを大幅に改善しました。上記の並列化オプションに加えて、さらに高速にモデルが作成できるようになりました。高速化に伴いパッキング解析のイタレーション回数を増やすことができるようになったため、より高い体積含有率も達成しやすくなりました。


図4. 新旧バージョン間で達成できる繊維体積含有率の比較(新バージョンでは並列化オプション未使用)

2.2.2. 乱数シードの指定

乱数のシード値を指定することができるようになりました。意図的に同じ乱数シードを指定することで、毎回同じ分散モデルを作成することができるようになりました。尚、毎回同じモデルを作成した場合には、並列化オプションを無効(CPU数を1に指定)にする必要があります。

2.2.3. メッシング操作に対してロバストなモデルの作成

粒子分散モデルにて、ユニットセル表面に極端に小さなエリアが作成されなくなりました。これによって、Mechanical GUIにおけるメッシング操作がより安定的に成功するようになりました。

2.2.4. 作成途中のモデル抽出

分散系モデルでは、一つづず粒子間のオーバーラップを避けながら一つずつ粒子を配置していくため、幾何条件によってはモデル作成までに非常に長時間を要することがあり、場合によって無限ループに陥ることがありました。今回のバージョンでは、プログラム実行を止めることで、作成途中のミクロモデルが作成されるようになりました。このとき、重なってる領域については、粒子分散モデルではそのまま、短繊維分散モデルでは削除された状態で出力されます。

完全に入力値通りのミクロモデルではありませんが、入力値の修正方針の検討や、場合によっては、そのモデルを使って等価物性値の当たり付けをすることもできます。

3. 超弾性均質化解析のWorkbench実装

Workbench環境に超弾性の数値材料試験および均質化解析が対応しました。これによりユニットセルを構成するパーツに超弾性材料特性を定義して、任意の変形モードにおけるみかけの材料応答(応力-ひずみ)を評価することに加えて、それらをカーブフィットすることによって異方性超弾性の材料物性値を同定することができます。

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