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構造解析

カムシャフトのスプリング(バネ)の反力解析

弾性体を含む機構解析事例


公開日:2020年04月
バネを有する機械を組み立てると、初期の状態でバネに張力が発生している状態が多くあります。このような機構を構造解析する場合、「バネを簡易要素(バネ要素)で表現し初期張力を入れる」方法ではなく「バネを自然長から初期長さまで変形させる解析を実施」すればバネの反力やサージング(バネ自体の固有振動)やバネが別パーツに接触する現象を解析できます。AnsysMotionは陰解法の非線形状態を安定的に計算でき、弾性体の形状アップデート機能を利用することでスピーディにバネ(弾性体)を含む機構解析を実施できます。

目次

  • はじめに
  • 解析の目的・背景
  • 解析手法
  • 事前解析と形状アップデート
    • 事前解析
    • 形状アップデート
  • 解析条件
    • ジョイントと接触の設定
  • 解析結果
  • 補足 : Ansys Motion ACT
  • 使用ソフトウェア

バネを弾性体としてモデル化

自然長のバネは組み上げた状態のバネ長よりも長くなっています。事前解析ではバネを弾性体としてモデル化し、組み立て時の位置にバネの端が存在するよう並進ジョイントで移動させる解析を実施します。その際はバネのみを抜き出して解析を実施します。AnsysMotionの形状アップデート機能を利用すると、有限要素モデルに対して、指定した時間の変形形状の変位をファイルに出力することができます。このファイルを全体の解析をする際にFEMモデルに読み込むことで、初期のメッシュの節点位置をアップデートした状態で解析を実施できます。

並進・固定・回転ジョイントと接触の設定

ジョイントは、並進・固定・回転ジョイントを各パーツ間に定義しています。カムの回転については、定義した回転ジョイントに1回転するように、トルクではなく強制回転を定義しました。それぞれのパーツ間に摩擦あり接触を定義し、スプリングのたわみによるロッドとの接触も考慮しています。

回転角ごとのバネの相当ひずみ

回転角ごとのバネの相当ひずみを示します。弾性体の一般的な応力やひずみ、変形量等の結果は機構解析でも確認できます。今回のモデルではバネの端が点で当たる接触状態ですが、シンプルな接触手法により安定して解析を実施できます。

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