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構造解析

株式会社明電舎様

ANSYSによるフロントローディング開発を全社的に推進

さらなる「環境に優しいものづくり」を目指して。

株式会社明電舎様

CAEのあるものづくり Vol.15|公開日:2011年10月

目次

  1. 構造から熱流体、電磁場まで。マルチフィジックスシミュレーションを活用
  2. 現代生活に欠かせない、社会インフラの構築に大きく貢献。近年では、電気自動車「i-MiEV」の駆動システムの供給も。
  3. Ansysが試作回数や開発期間の短縮に貢献。今後はさらなるフロントローディング開発の実現を目指す
  4. 導入の決め手は、優れた操作性と解析機能
  5. 配電盤の耐震解析から風力発電まで。多種多様なテーマでAnsysを活用。
  6. 疲労問題は、環境にやさしいものづくりを行なう上で特に重要なテーマ
  7. 一層の機能強化や、外部ソルバー、ツールの組み込みなど今後のAnsys Workbenchの進化に期待

本インタビューでは、株式会社 明電舎様にご協力いただきました。
1987年(明治30年)の創業以来、電機メーカーとして様々な技術や製品・サービスを創出してこられた明電舎様。電力システムや水処理施設など、私たちの生活に欠かせない社会インフラの構築に、大きな貢献をされてきました。近年では、三菱自動車様の電気自動車「i-MiEV」の駆動システムやメガソーラーシステムの開発など、低炭素社会実現のための製品開発にも精力的に取り組まれています。
また明電舎様は、フロントローディング開発の実現や、より環境に配慮したものづくりを行なうために、シミュレーションの推進活動を全社規模で展開なさっています。今回は、その活動の中核を担う研究開発本部の皆様にお話をお伺いしました。

今回お話いただいた方々
研究開発本部 システム技術研究所
所長   紙谷 広幸様
主管技師 渡辺 広光様
技師   江尻 光良様
主任   佐々木聖夏様
高橋 慎矢様
(以下、お客様の名前の敬称は省略させていただきます。)

構造から熱流体、電磁場まで。マルチフィジックスシミュレーションを活用

ではまず、皆様の担当業務をお聞かせください。

渡辺 - 私は解析・制御センターに所属しています。専門は機械分野の解析ですが、社内のCAE教育なども担当しています。また最近では、環境負荷をさらに低減するための方法について、日々、色々と研究を重ねているところです。

佐々木 - 私は同部門で構造解析を担当しています。環境に配慮した設計を行うため、特に最近では寿命設計に取り組んでいます。

高橋 - 私は電磁界解析を担当しています。従来は、モーターなどの低周波の解析をメインで行なってきましたが、最近ではEMC(高周波電磁ノイズ)の問題も重要になってきているため、高周波の電磁界解析も活用しています。

江尻 - 私は、主に熱流体解析を担当しています。解析対象は回転機械や大型の盤などで、近年では熱対策や冷却の問題にも力を入れています。

紙谷 - 私は、今年1月から解析・制御センターを担当し、このメンバーと仕事をするようになりました。以前はずっと営業技術として、エネルギー関連機器や通信分野の製品を扱っていました。

現代生活に欠かせない、社会インフラの構築に大きく貢献。近年では、電気自動車「i-MiEV」の駆動システムの供給も。

御社の事業内容についてお聞かせください。

紙谷 - 当社の事業は、社会システム事業、産業システム事業、エンジニアリング事業などがあります。
社会システム事業は、いわゆる社会インフラの構築に関連するもので、電力や省エネに関する製品、つまり発電、送電、変電、配電などに関する電気機器の製品開発、および国内外での販売を行っています。実績は官公庁や電力会社、そして鉄道分野など幅広いです。自治体向けには上下水道や浄水所の各種処理装置の提供も行っているほか、昨今では韓国向けに太陽光発電向けのシステム製品の供給も行っています。

産業システム事業では、製造業やIT業界などの一般産業で使用される製品システムに関連する事業で、受変電設備や自動車試験用システム、物流システムなどを提供するほか、繊維機械やエレベータなどの製品向けに、モーターやインバータなどの電動力応用製品の製造・販売を行っています。
最近では、三菱自動車様の電気自動車、「i-MiEV」の駆動システムに利用いただいています。
エンジニアリング部門は、社会システム事業、産業システム事業で納品した製品のメンテナンスサービスです。
拠点については、本社は東京都品川区大崎、主力となる工場は静岡県・沼津市と群馬県・太田市、そして名古屋と甲府にあるほか、各拠点に関係会社、そしてこの東京・大崎には研究所があります。それぞれが分担して製品の研究や開発を行っています。

Ansysが試作回数や開発期間の短縮に貢献。今後はさらなるフロントローディング開発の実現を目指す

御社にとって、シミュレーションとはどのような存在ですか?

渡辺 - シミュレーションはかなり普及しています。当社の製品は大きなものが多いため、実機試験の際には事象を単純化するために、コンポーネントごとに分けて確認することが多いのですが、実験とシミュレーションを掛け合わせて評価しています。例えば素材の強度であればサンプルを切り出して、サンプルで十分に評価する。機械や部品などはAnsysを使って、シミュレーションで性能を把握するといったように。このように製品の完成度を高めていき、出荷前に最終的な製品試験を行ないます。

製品開発に、シミュレーションが深く関わっているのですね。

渡辺 - そうですね。測定位置を決めるときも、まずはシミュレーションを利用して、注意すべき箇所を特定しています。

紙谷 - 弊社の各工場部門や、この研究所にも試験設備はあるのですが、シミュレーションの経験を積んできているので、試作はだいぶ減ってきています。

渡辺 - 製品開発の期間もかなり短縮されましたが、試作はもっと減らすべきだと考えています。特に最近は小型化やコストリダクションなど様々な要求があり、全てを実験でまかなおうとしたら、コストも時間も合いません。要求を満たしながら、タイムリーに製品を市場投入していくためにも、CAEでフロントローディングを実現することが一層重要になっています。

紙谷 - そこで今年度からは…

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