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解析事例

構造解析

自動車用軽合金製ホイールの疲労解析、Ansys 疲労ツールを用いた寿命解析

資料提供元:株式会社TAN-EI-SYA 商品開発本部様

はじめに

株式会社TAN-EI-SYA様では、自動車用軽合金製ホイール(以下、ホイール)の開発・設計を行っており、Ansysを用いた強度解析などを活用して軽量化と高剛性化を実現しています。
品質面では国土交通省通達の安全基準をクリアするだけでなく、独自の安全基準も定められており、「回転曲げ疲労試験」や「半径方向負荷耐久試験」、「衝撃試験」などを全製品にて実施しています。ここでは、「回転曲げ疲労試験」を考慮した解析事例を紹介いたします。

解析の目的・背景

試作と試験に依存した製品開発では、試作品の製作や試験の実施に必要なコストと工数が問題となります。特に今回のような場合では、ホイールの製作や試験で不適合となった際の改造には時間とコストがかかります。耐久試験にも時間がかかるため、すぐに結果を得ることができません。
そこで試作に取り掛かる前に、Ansysを用いた事前検証によって寿命を予測し、予め対策を講じることが重要となります。

解析手法

今回はAnsys Workbench Mechanicalの疲労ツールを用いて寿命を計算します。ホイールに作用する応力負荷は弾性範囲内のため、応力寿命疲労(高サイクル疲労)から求めます。

解析モデルと解析条件

解析モデル

ホイール単品モデルを使用します。

解析条件

実際の試験を再現できるような解析条件を定義しています。試験はホイール取り付け面にシャフトを介して荷重を加えるため、Ansysではリモート力を使用して表現しています。また、回転速度を追加することで平均応力による影響も考慮しています。

解析結果

疲労ツールを用いて算出した寿命の結果について評価します。

考察

寿命が規格よりも短かった場合、その部分が明確にわかるようになったため、効果的な対策を講じることが可能になります。そして、短時間での解析が可能なため、その対策の効果についてもすぐに確認することができます。

解析によって得られた効果

これまでは静的構造解析によって得られた応力などから評価していましたが、実際の試験結果と同じの疲労寿命が得られることで解析結果に対する評価が容易になり、よりスムーズに設計へフィードバックすることが可能になりました。これにより、設計品質が向上し、試作コストの低減や試験回数の削減などの効果が得られるようになりました。

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