WAON Version 4.4

WAONの最新バージョンであるVersion 4.4をリリースしました。
Version 4.4の詳細は、 サポートページをご参照ください。

リリース日

2016年7月

WAONの最新版をダウンロードできます。

WAON Version 4.4の主な新機能と特徴

位相シフトのアニメーション情報をEnsight書式で出力

従来のEnsightインターフェース機能では、WAONの計算結果をそのままEnsight書式で出力するだけでした。この情報では、Ensightにて周波数をシフトするアニメーションは表示できますが、周波数応答解析の結果評価としてニーズの多い、任意の周波数において位相をシフトするアニメーションは表示できませんでした。
本バージョンでは、Ensightで位相シフトアニメーションを表示するための情報を出力する機能を追加しました。

構造解析結果の読み取り速度向上

ANSYSやNastranの構造解析結果(周波数応答解析結果と固有値解析結果)の読み取り速度を改善しました。

HyperMeshで作成した要素セット情報を読み取る機能

HyperMeshでは、HyperMeshで作成した要素セット情報をBulkデータファイルに書き出すことができます。この際に、独自の内部情報を付与するのですが、WAONはこの内部情報に対応しました。そのため、HyperMesh内の要素セット情報を、Bulkデータ経由でWAONに読み込むことが可能です。

Power関連データを出力する際、要素セット毎の値を出力する機能

従来より、コマンドを用いた操作であれば要素セット毎のPower関連データを出力することはできました。この機能を、GUIからPower関連データを出力した際にも、使用できるようにしました。

吸音率の設定機能

境界面上の吸音をモデル化する手段として、従来よりインピーダンス, インピーダンス比, アドミッタンス, アドミッタンス比を指定することができました。これらに加えて吸音率での入力もできるようにしました。
入力された吸音率は、実部のインピーダンスに換算されて、計算に用いられます。

構造-音響連成解析における、構造減衰の非対角項設定機能

構造減衰マトリクスに対して前後から固有ベクトルを乗じたマトリクス(非対角項を含む)を、 構造モデルに対する減衰情報として使用することができます。

拡充した境界要素法ソルバー

WAONではConventionalBEM, LF-FMBEM, HF-FMBEMという境界要素法ソルバーをご提供しています。しかしこれまでは、ConventionalBEMで使用可能な機能の全てを、LF-FMBEMやHF-FMBEMではご提供できていませんでした。本バージョンでは不足していた機能の全てを開発し、各ソルバーで全ての機能が揃いました。具体的には、下記の通りです。

  • LF-FMBEMのDMP並列処理
  • LF-FMBEMの音響-音響連成解析
  • HF-FMBEMやLF-FMBEMのDMP版でBF+DLFやNDF-Thin+DLFを使用

以上により、下記の境界要素法ソルバーをご提供することとなります。

  • ConventionalBEM, HF-FMBEM, LF-FMBEMの全てで使用可能な定式化
    • 基本型(BasicForm:BF)による定式化
    • 法線方向微分型(NormalDerivativeForm:NDF)による定式化
    • 双対型(DoubleLayerForm:DLF)による定式化
    • 上記の混在
  • 音響-音響連成解析(領域分割法)にて使用可能な組み合わせ
    • 3種のソルバーの任意な組み合わせが可能

また、付随して下記の機能を開発いたしました。

  • 使用可能なメモリ量を指定すれば、これに合わせて自動的に最適なソルバーおよび最適なセル階層化レベルを選択する機能
  • 音響-音響連成解析の場合は、各音場に対して上記の最適設定を設定する機能