CYBERNET


製品情報

PRODUCT

有機EL・太陽電池シミュレータ

Setfos

有機EL・太陽電池の光学・電気シミュレーションを行うソフトウェア

多層薄膜構造を持つ有機EL・太陽電池を解析対象としたソフトウェアで、これらデバイスのパフォーマンスには、多層構造による光学的および電気的な影響を考慮する必要があります。
有機EL・太陽電池シミュレータSetfosは、これら物理現象を包括的にシミュレーションできるソフトウェアであり、有機EL・有機太陽電池・ペロブスカイト太陽電池などの研究開発を支援します。

モジュール構成

Setfosは以下の4つのモジュールで構成されています。

※ これらのモジュールを契約すると使用可能なPassive opticsでは、多層薄膜構造の透過率・反射率の波長依存性を算出

Setfosリリース情報

リリース時期:2023年1月

全体

Setfos 5.3 では以下の機能が追加されました。

  • 結果のデータ形式がHDF5に変更されました。

  • グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の変更
  • スイープパラメータが2つ以上のスイープのプロットを表示することができるようになりました。
    スライダーを操作して多次元でスイープしたシミュレーション結果を閲覧することができます。

  • ユーザー定義の軸オフセットを追加するプロット・オプションができました。
  • Windowsのタスクバーにシミュレーションの進行状況が表示されるようになりました。



  • Setfos 5.3がmacOS 10.9以降で動作するようになりました。

Drift-Diffusion

Setfos 5.3では、以下の機能が追加されました。

  • 安定性と収束効率を向上させた新しい自動ソルバーモードがあり、定常状態のための完全連成ニュートンソルバーもあります。
    また、収束の自動検出も可能です。
  • 高速計算、アダプティブ・タイムステッピング、柔軟なデータエクスポートを特徴とする、使いやすい過渡応答ソルバが新たに開発されました。
  • 過渡信号用の新しいエディターが追加されました。
  • 再結合モデル(オージェ、バイモレキュラー、簡略化SRH)が追加されました。
  • 極性のある層のシミュレーションが可能になりました。
  • IMVS(強度変調光電圧分光法)と追加の電気回路素子(直列抵抗など)がある場合のIMPS(強度変調光電流分光法)が可能になりました。
    なお、AC、IMPS、IMVSシミュレーションの振幅をユーザーが定義できます。

また、以下の機能も追加されました。

  • 過渡現象における個々の再結合の項の明示的な出力
  • 励起子を含む小さな信号の解析
  • 複数のEGDM/ECDM層を持つ積層体の小さな信号解析
  • 過渡AC:過渡シミュレーション時の小さな信号解析
  • 第2世代モデル(EGDM、ECDM)のバンドダイアグラム出力
  • 第1世代と第2世代の移動度モデルの組み合わせ
  • EGDM、ECDMとの組み合わせで電気的インターフェースモデルのサポート
  • 異なる電気インターフェースモデルの組み合わせに対応
  • SRHとトラップ-トラップ再結合の同時計算

Absorption

  • 雲モデル(雲量率)により、時間や位置に依存した太陽スペクトルの計算を拡張します。
    (ある期間で積算した電力量を算出する際に使用します。)



リリース時期:2021年8月

全体

Setfos 5.2 では以下の機能が追加されました。

  • パラメーターの並列スイープ機能

  • シミュレーションのコピー&ペースト機能
    Setfosのワークスペース上で、シミュレーションファイル・結果をコピー&ペーストできるようになりました。

  • 積み上げ面グラフの順番変更と色変更の機能



Emission

Setfos5.2では屈折率(nk)の分散から材料固有のスペクトルを見積もる機能が追加されました。

detailed balance relationship のモデルが適用できる条件についてはマニュアルをご覧ください。

Drift-diffusion

Setfos 5.2 では以下の計算が可能になりました。

  • 励起子の3D Master-Equation モデルの使用

  • 界面でのSRH再結合

  • 励起子クエンチ計算の機能拡張

  • 励起子を分類した新しいグラフの追加

この例では、各電圧における、それぞれの励起子の放射失活・非放射失活の割合を表示しています。

  • 電荷輸送とmode analysisを組み合わせた計算(Emissionモジュールが必要)



Absorption

Setfos 5.2 では以下の計算が可能になりました。

  • 位置・時間を反映した太陽光スペクトルを使用したシミュレーション

  • ある期間に受光した光から得られる全エネルギー量の計算

リリース時期:2020年8月

全体

  • スイープ/最適化設定を無効にして保存したときでも、スイープなどのパラメータ設定が残るようになりました。
  • Absorptionモジュール・Drift Diffusionモジュール・Emissionモジュールの組み合わせが可能になりました。
    (過渡PLのシミュレーションを想定)
  • 最適化ツールが改訂されました。
    • Option の選択で、Global options と Local options にカテゴリが分かれました。
      最適化において、Global Optimization と Local Optimization の組み合わせも可能になりました。
    • 最適化の target が、結果として出力されるファイルの特定の列もしくは結果画面の特定のパラメーターから選べるようになりました。

Drift-diffusion

  • 可動イオンに対するインピーダンス分光のシミュレーションが可能になりました。
  • ディリクレ境界条件(ポテンシャル、密度、仕事関数)を適用する点を実際の界面位置に移動し、より適した方法になりました。
  • Exciton タブにおけるGeneration Efficiencyが、Langevin、SRH、trap-trap、total から選択できるようになりました。
  • エネルギーレベルのプレビュー画面において、トラップレベルも表示されるようになりました。

Advanced-Optics

  • 散乱界面設定において、Linear grating array(断面が台形のパターンの繰り返し構造)がライブラリに追加されました。



Absorption

  • 吸収プロファイルと生成プロファイルの取り扱いが改良されました。
    Absorptionモジュールのみの時は励起子のGeneration profile の計算に IQEが使われ、Drift-diffusionモジュールと組み合わせた時は、励起子の Optical generation の計算にOptical generation efficiency の値が使われます。

リリース時期:2019年7月

GUI

  • シミュレーションを管理するワークスペースが追加されました。
    • ワークスペースの中でシミュレーションの整理が可能です。
    • フォルダの作成・シミュレーションファイルをドラッグ&ドロップでフォルダへ移動することが可能です。
    • ドロップダウンメニューで別のワーキングディレクトリに移動することが可能です。
  • 複数のシミュレーション結果を比較することが可能になりました。
    • ワークスペース内でCtrlキーを押しながらクリックして複数のシミュレーションを選択し、結果を比較することが可能です。
  • デバイス構造・エネルギーダイヤグラムと光学・電気特性がリンクされました。
    • デバイス構造の図にある層の名前をクリックすると、光学特性にジャンプします。
      (Layer Structureタブが開いているとき)
    • エネルギーダイヤグラムにある層の名前をクリックすると、電気特性にジャンプします。
      (Layer Structureタブが開いているとき)



新機能の追加

  • 薄膜PLのシミュレーションを想定した、absorptionモジュールとemissionモジュールの組み合わせが可能になりました。
    (absorptionモジュールとemissionモジュールが必要)
  • 熱刺激電流(TSC)に必要な温度スイープのシミュレーションが可能になりました。
    (absorptionモジュールとdrift-diffusionモジュールが必要)
  • デバイス構造の最適化において、新しいアルゴリズムを採用しました。
  • absorptionモジュールにおいても、量子ドット粒子のシミュレーションが可能になりました。
    (absorptionモジュールとadvanced-opticsモジュールが必要)
  • ペロブスカイト太陽電池やLEDなどのイオンデバイスに新しい可能性を提供します。
    例えば、ペロブスカイト太陽電池での電圧上昇時と降下時のヒステリシスに関して、ス イープ速度を変えたシミュレーションが可能です。
    (ペロブスカイト太陽電池のシミュレーションはabsorptionモジュールとdrift-diffusionモジュールが必要)

特長

Emission モジュール:発光特性の解析

Emissonモジュールは転送行列法をベースに高速に計算し、スペクトルの角度依存性、色度、輝度などを計算します。また、光取り出し効率の計算には”mode analysis”機能が有効で、空気に取り出される割合、基板・薄膜に閉じ込められる割合、電極のプラズモンに変化する割合などが計算されます。
これらの計算には電極による励起子のクエンチの効果も考慮に入れることが可能です。

膜厚を変化させた時の放射輝度

角度強度分布(シミュレーション結果と実測比較)

Drift-diffusion モジュール:電気特性の解析

電荷のドリフト-拡散モデルと励起子モデルを独自のソルバー機能で高速に解くことができます。Drift-diffusionモジュールで算出した励起子分布から発光層内部の発光分布を求め、Emissionモジュールでシミュレーションすることで、電気から光までの物理現象を包括的に解析することも可能です。

過渡応答特性

I-V特性(シミュレーション結果と実測比較)

Absorption モジュール:吸収特性の解析

Absorptionモジュールも転送行列法をベースに高速に計算し、太陽電池各層内部での吸収分布や励起子分布、各層に吸収される割合などを計算します。また、光子の吸収量から最大短絡電流を見積もることも可能です。さらに、Drift-Diffusionモジュールと組み合わせることで、デバイスの電圧電流特性や主要な特性値(短絡電流や開放電圧など)を求めることが可能です。

フォトン吸収分布

短絡電流の活性層膜厚依存性(シミュレーション結果と実測比較)

Advanced optics モジュール:凹凸面による散乱・光学異方性材料の解析

有機ELや太陽電池の効率を上げるためには、光の散乱を利用することも有効です。このAdvanced opticsモジュールでは、解析的な方法(ランバーシアンやPhongのモデル)や散乱の数値データ(BSDFデータ)により光の散乱をモデル化することで、EmissionモジュールやAbsorptionモジュールと組み合わせて散乱による影響を解析できます。

素子構成(ガラス層と平坦化層の境界に散乱を設定)

境界面が平坦な場合と散乱がある場合での放射輝度の比較

Setfos製品動作環境

プロセッサー
(CPU)
Windows 10以上対応のプロセッサー
オペレーティングシステム
(OS)
Windows 64bit(Vista以降)
Linux 64 bit(Ubuntuなど)
メモリー 必須:2GB以上
推奨:8GB以上
ビデオカード、GPU OpenGL 3.2以降(光線追跡で3Dビュー表示するため)
GPU計算未対応
ストレージ 必須:300MB以上
推奨:10GB以上
クラスタリング計算 未対応
ライセンス管理方法 USBドングル挿入