ユーザーインタビュー(2013年8月) ミネベア株式会社 様

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ミネベア株式会社様(以下、ミネベア様)は、パソコンを中心とした情報通信機器や家電製品、自動車の制御モーターなどに多く使用される外径22mm以下の極小・小径ボールベアリングにおいて、世界市場シェアの60%以上を誇る、「超精密加工技術のエキスパート」として広く知られています。
機械加工品事業や、電子機器事業で活躍される一方、2000年よりバックライトをはじめとした光学事業も手がけられており、毎年事業規模は拡大されているようです。また、事業立ち上げ当初から「照明設計解析ソフトウェアLightTools(以下、LightTools)」をご利用頂いております。
今回は、電子機器製造本部・電子デバイス部門・技術開発部・光学技術開発グループの宮本様、高山様、山田様にお話を伺いました。
(以下、敬省略)


今回インタビューにご対応頂いた皆様
(左から 宮本様、高山様、山田様)

インタビュー

ミネベア様は、ボールベアリングなど、「電子部品メーカー」のイメージが強いのですが、光学事業をはじめたきっかけを教えて頂けますか?
高山 フロントライトへ参入する以前から、磁気ディスク向けの磁気ヘッドを手掛けておりました。記憶媒体が光磁気ディスク・光ディスクへ移る中で、光磁気ヘッドも手掛けるようになり、弊社にも光学設計技術が培われてきました。その技術を活かし、当時主流になると思われており、技術的にもバックライトより難しいとされるフロントライトへ参入をしました。
その後、バックライト開発をスタートされたと伺っています。バックライト開発をスタートされた時期が市場の需要とマッチしており、結果として事業規模が拡大したとのことですが、成功の要因はどのような点にあるとお考えでしょうか?
高山 携帯電話や音楽プレーヤー、カーナビ、最近ではタブレット端末などが急速に普及する中で、液晶ディスプレイの性能も大きく向上してきました。液晶のカラー化、高精細化などが進むと、バックライトへの要求も厳しくなります。市場の厳しい要求に応えた製品を提供し続けられていることが現在まで事業を拡大してきた要因と考えています。それは理論的に光学設計を行う方針によるもので、LightToolsは解析の手助けになっています。
現在では、中・小型バックライト市場(1インチ〜ノートPC・タブレットサイズ)において世界トップシェアを誇るNo.1メーカーにまで成長しました。
なるほど。先日「COOL LEAFキーボード(バックライト搭載、鏡面パネルの全面フラットキーボード)」をWEBで拝見しましたが、あちらをミネベア様が手がけていると知って驚きました。光学事業の進化が目覚しいですね!
ご所属の光学技術開発部では、どういったことをご担当されているのでしょうか?
高山 まず、所属をしている電子デバイス部門では、LED照明やバックライトを扱うライティング・デバイス事業部、電子機器や回転機器などを組み合わせた複合製品を扱う複合製品事業部、計測機器事業部など、製品開発を担当する事業部があります。このような中で、基礎的な研究や開発を行うポジションとして技術開発部があり、光学、電気、機械工学など多岐に渡る技術を扱っています。部署の立ち位置として、製品開発を担当する事業部の上流に位置して、全体的に関わっているイメージです。我々はその中の光学技術開発グループに所属していまして、主にライティング・デバイス関係のシミュレーションと実機の誤差をなくす検討や、加工のスピードを早くする方策など、開発から製造に関わることを検討しています。また、複雑で込み入った技術や、これまで培った技術を応用して別の製品に転用する検討も行っています。LED照明がその1つですね。
山田 業務の割合としては、バックライトと照明器具の開発は同じくらいの比重で扱っていますね。照明を扱う割合が多くなってきています。
事業をスタートされた当初より、LightToolsをご利用頂いていると伺っています。長年のご愛顧ありがとうございます!導入されたきっかけや、長年ご利用頂いている理由などありましたら、お聞かせください。
高山 弊社はバックライトメーカーとしては後発であり、経験で差がある先発メーカーに対して競争力のある製品を作るため、理論的に光学設計をすることを念頭に開発をスタートしました。開発当初は有効な解析ソフトがなく、自作のソフトにて解析を行っていました。その後、当時Ver3.0がリリースされたLightToolsの機能向上により、我々の考えるバックライト設計に対して効率よく且つ有効に解析が行えることが確認出来たため、導入をしました。
導入から現在に至るまで設計目的にしっかり合致した結果が得られていることが使い続けている大きな理由です。LightToolsを使いこなすことで急速に変化する市場要求に応えられていますので、非常に有用なソフトであると考えております。
御社のWEBを拝見したところ、バックライトはカスタム対応されているとのことですが、カスタムにされる理由は何かあるのでしょうか?
宮本 標準品が出来ないというのではなく、お客様が一般消費者ではなく、液晶メーカーであることが多いので、各メーカーの規格、希望されるコストなどにあわせて作り込んでいるからです。モデル単位に合わせる必要があるので、そういった意味でカスタム対応をとっています。
そうでしたか。標準品がない分、手間がかかると思うのですが、その中でLightToolsはどのようにご活用頂いているのでしょうか?
宮本 カスタム対応ではありますが、何種類か共通する設計パターンがあって、その中でバックライトの中の光学素子をどうするか判断する時に使用しています。
例えば、LEDの光をどう広げれば、ホットスポット(光が反射した際に、輝度が局地的に高くなるムラ)を無くすことが出来るのか、LightTools上で検討を行っています。
LED照明の方はいかがでしょうか?
高山 現在、国内外の照明メーカーに向けて販促活動を行っています。2年前くらいに発表したバックライトの技術から派生した薄型レンズをご提供する他、電源、光源モジュールなども自社で開発しているので、それらをセット販売する場合もあります。
お客様のご要望にあわせて紹介しています。

バックライト技術から派生した超薄型レンズ。従来のカップレンズに比べて、低コストで作成が出来、高効率で照射光の品位も良いそうです。

LED照明。こちらは電源モジュールまで含めたユニットだそうです。
その中でLightToolsはどのように役立っていますか?
高山 LED照明用のレンズについてお話すると、バックライトでは気にならなかったような照明器具に組んだ際のLED自体の発光について、注意する必要があることがわかりました。LEDの実測データを使ってシミュレーションをすると、レンズによっては、シミュレーションを行った際に色ムラが出るのですが、LightTools上では実測と近いデータで出ることが確認できています。ですので、シミュレーション上で事前に色も含めた改善が出来るので、トータルとして試作回数の軽減に役立っています。
そうでしたか。バックライト設計でも何か良い影響をご提供出来ているようでしたら、教えて下さい。
山田 そうですね、試作回数や、工数の削減はここ数年で改善されましたね。バックライトの生産については、タイの自社工場を中心に海外で行っているのですが、海外にも技術部隊を編成していて、そちらでも一部LightToolsを使った光学設計をしています。海外で設計から生産まで環境が構築されているので、そのあたりで結果のやり取りを日本側と連携を取って、支援を行うこともあります。
LED照明は精度が出ているとのことですが、バックライトの方ではいかがでしょうか?
宮本 正直難しいところもあるのですが・・。というのも、実際の光学素子を完全にはLightToolsには取り込めないので、等価な形に置き換えて対応しているのが実情です。そのあたりは試作品とシミュレーション結果の整合を取りながら対応しています。あとは、利点というより、お願いしたい点があるのですが、弊社で手がけるバックライトのサイズが年々大きくなっているので、サイズに対して、解析精度を求めると、光線本数が多くなります。その計算スピードが負担になってきているので、改善して頂けるとありがたいですね。
バックライトのサイズはどの程度まで扱っているのでしょうか?
宮本 スマートフォンサイズから、ノートPCタイプまで対応しているので、場合によっては10インチ以上は扱っています。対応方法も簡略化を検討する必要もあるのですが、一方で光が走る長さも長くなってきているので、その分、光線本数の計算スピードアップも求められるのです。
ところで、弊社の技術サポートはご利用頂いていますか?ご利用頻度も高いと操作で困ることなど出てくるのではないでしょうか?
山田 よく利用させて頂いています。こちらの質問の意図を汲んで回答して頂ける点が助かります。回答時間的にも特に不満はないですね。回答が来なくて、業務に支障が出るなんてこともないですし。
その他にLightToolsをご利用にあたり、ご要望があったらお聞かせください。
宮本 チュートリアルみたいな、いわゆる「取扱い説明書」のようなものを、バージョンアップした際に用意して頂けると助かります。WEBで掲載された紹介文は機能の羅列だけなので、実際の使い方でわからないところがあります。
高山 技術サポートの方に質問をした際に機能の紹介をして頂くのですが、使いこなせていないことに気づかされます。知らなかった機能を使えていれば、もっと使いこなせていたというのが結構ありますね。あと、バージョンアップする度に知らないところで機能が変わっていることもあるので、こういった場合にもチュートリアルで確認しながら使えたらと思っています。社内のLightTools利用者各自で調べながら使っているようなところもあって、お互いに教えあうこともあるので。
宮本 毎年バージョンアップセミナーを行って頂くので、機能確認が出来る点で助かるところもありますが、その場ではわかっても、後から疑問がわいてくることもあります。WEBで細かいところをアップして頂くと、後からゆっくり参照できたりするので、助かるかなと思います。
そうでしたか。社内に持ち帰って検討するようにします。
LightTools以外に、「汎用型最適化設計ツールOptimus(以下、Optimus)」もご利用頂いていますね。ご担当業務の効率化に役立っていますか?
山田 バックライトや薄型レンズの設計でOptimusを使った自動設計は出来ないかと検討は行っていまして、自動設計が問題なく出来るという結果は得られています。だいぶ使いやすい印象がありますね。アルゴリズムの話になりますが、LightToolsの方にも最適化の機能はついていると思うのですが、アルゴリズム的にOptimusと違いがあるように感じています。色々と考慮すべき箇所が多い場合に、Optimusの方が凄い有効なアルゴリズムがたくさん取り入れられている印象がありますね。様々な問題に対応できる点で、使いやすいです。
そうですね。LightToolsの最適化は光学に限った最適化になりますが、例えば、形状サイズなどを考慮する場合の最適化には対応していないので、そういったところにはOptimusをご活用頂けているということですね!
山田 筐体の形状で特性が変わるような照明を今後扱っていく予定ですので、そのような場合のパラメーターや最適化に、今後Optimusが有効になってくるのではないかと思っています。
ちなみに、他の問題と組み合わせてのご利用予定はありますか?例えば、熱の問題あたり、いかがでしょう?
高山 熱シミュレーションソフト自体は所有していて、光源からの熱をどう逃がすかのシミュレーションは行っているのですが、その段階で、レンズ特性を考慮したLightToolsのシミュレーション結果と組み合わせた検討はまだ行っていません。今後、器具に組んだ状態でのシミュレーションや、取り扱うLEDも種類が増えて、仕様もハイパワー化しているので、より熱の問題が多くなってくると思っています。
ですので、お客様へ製品のアピールを行う際、光学特性としても、熱の放散処理の面でも問題ないことを同時にアピールできたら一番いいので、今後目指していけたらと思っています。
ありがとうございます。貴重なご意見として承ります。最後にリクエストなどありましたら、お聞かせください。
高山 今後はレンズの正確な散乱特性をLightTools上で取り入れていきたいと思っています。なので、材質の散乱測定のご相談をさせて頂ければと思います。
いつでもお待ちしています!本日はありがとうございました。

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