ユーザーインタビュー 住友電気工業株式会社 様

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住友電気工業株式会社−通称、『住友電工』として、この会社を知らない方はいらっしゃらないのでは無いでしょうか。
住友電工様の創業は1897年、事業内容は銅の線引き、つまり銅線の製造から始まりました。そこから、電力・通信ケーブルの開発、伸線のための超硬合金工具の開発、超硬合金の粉末冶金技術を活かした焼結製品・ダイヤ製品を世に出されています。
また、電線製造に関する制御技術や伝送技術を応用し、システム・エレクトロニクス分野にまで事業領域を拡大されています。

この住友電工様のどの様な製品の設計開発に、光学設計評価プログラム「CODE V」が使われているのでしょうか?

今回のインタビューでは、同社 ハイブリッド製品事業部 技術部 光学製品グループの寺岡 寛二様、長谷川 幹人様にお話を伺いました。(以下、敬称略)

インタビュー


長谷川 幹人 様
創業100年以上とかなり長い社歴をお持ちですね。失礼ながら、事業のスタートが銅線の製造だったとは知りませんでした。
長谷川 そうですね、みなさん驚かれます。銅線の製造をベースに、新しい技術を開発し様々な事業を展開してきたので、旧来より”技術”を重視する社風です。
ハイブリッド製品事業部とは、どの様な製品の設計・開発を行う事業部なのでしょうか?
長谷川 ざっくりお伝えすると複合材料を用いて幅広い製品の開発・展開を行うのが、ハイブリッド製品事業部です。ゴム、プラスチック、セラミックスと、様々な材料を扱います。
なるほど。具体的な製品名としてはいかがでしょう。
長谷川 中心製品としては、新幹線をはじめとする鉄道車両の快適性を支える空気ばねや半導体製造装置用セラミックヒーターなどがあり、新製品として、気象観測用のレーダー、そして赤外線カメラ用レンズ・・・

寺岡 寛二 様
やっとレンズのお話が出てきました(笑) もちろんCODE Vは・・・
寺岡 赤外用カメラレンズの設計用途で利用していますよ。
レンズ設計を行なう事になった当初からCODE Vを利用しています。
CODE Vを導入するきっかけというのは?
寺岡 ZnS(硫化亜鉛)レンズの開発計画が持ち上がった際に、レンズ設計ソフトを色々と探しました。そこでCODE Vを見つけて検討したのが、始まりですね。当初は他のレンズ設計ソフトも使ってみたんですよ。ただ、CODE Vで設計を行なったレンズが、一番結像性能が良かった!そこが決め手です。
CODE Vの設計機能は最適解への収束が早いので、助かっています。収束が悪いと、どこが最適解か判らないので。
逆に他のユーザーーさんからも同じ事言われないんですか?(笑)
色々なお客様からも同様のお言葉を頂戴しています(えっへん)、と言わせてください(笑)
ZnSレンズとは、あまり聞きなれないレンズですね。
長谷川

焼結ZnSレンズ
赤外用レンズでは、Ge(ゲルマニウム)が主流ですから。
弊社がZnSを使う理由は3つあります。1つは”型成形ができる”事です。Geは特性上、削り出しでレンズを作る必要がありますが、ZnSは型成形が可能です。そのため、製品の大量生産ができます。
2つ目は、”材料の供給が安定している”点です。Geはレアメタルのため安定供給が難しいですが、ZnSは大量供給が可能で安価で安定した製造が見込めます。
3つ目は”温度依存性が低い”事です。赤外用カメラは氷点下から高温下まで過酷な温度環境で使用される事があります。ZnSは屈折率の温度依存性が低いので、その様な環境化でも光学性能が低下しにくいんです。すなわち、性能の信頼性を上げる事に繋がります。
(焼結Zns遠赤外レンズの製品ページはこちら)
なるほど、ZnSを利用する事によって低価格・高品質な赤外用レンズができるわけですね。
特殊な材料の様ですが、設計で苦労されている点などはありますか?
寺岡 ZnSは良い材料なのですが、Geに比べると赤外光の透過率が低いんです。
そのため、光量を稼ぐためにF値を若干小さくする必要があります。ただ、そうすると解像度は落ちるわけで・・・。F値と解像度の向上には苦労しています。まあ、CODE Vで何とか設計していますよ。

良かったです!設計の頻度は、かなり高いのでしょうか?
長谷川 可視光用のレンズよりは本数が出ないので、基本的に依頼ベースで設計をしています。設計期間も相談に応じて対応していますね。お急ぎの依頼の場合は、2週間程度でラフな設計案を出す必要があります。
2週間程度ですか!?
寺岡 はい。ですので、やはり『最適解に速く収束する』というのは大事なんです。
光学系では無数の最適解が存在するので、現在の設計解の見極めというのが非常に重要になってきます。このレンズ構成で求める性能が得られるのか否か?が早めに判断できないと、時間が無駄になってしまいます。求める性能のレンズが早く得られる事は、短納期が求められる現場ではかなり重要です。

CODE Vで設計したレンズ図面
あとは、CODE Vの公差解析機能(TOR)も速くて助かっていますよ。モンテカルロ法をベースとした公差解析に比べて、一瞬で答えが出ますよね。設計後はすぐに公差解析をして、製造時の性能劣化量や敏感度などを確認しています。
CODE Vの最適化、公差解析機能がお役に立てて嬉しいです。
その他の機能は、何かお使いでしょうか?
寺岡 公差解析を行った後は、環境解析機能(ENV)を使って、温度変化による性能変化もチェックしています。その他、マクロ機能を使って必要な解析出力などはルーチン化しています。解析作業もさくさく進み、楽ですね。
ありがとうございます。マクロはご自身で作成されたのでしょうか?
寺岡 導入当初に御社の技術サポートに相談しながら作成しました。と言っても、作成したのは私の前任の担当者ですが(笑)
寺岡様は、技術サポートはご利用いただいていますか?
寺岡 うーん。最初は色々質問していたけど、ある程度手順が確立できたので最近の利用は少なくなってきたかな?
あ、そうだ。この前、公差がきついレンズを公差がゆるいレンズに変更できないか、サポート窓口を利用して質問しましたね。設計に公差解析の結果を組み込む方法を教えてもらい、最終的にレンズの製品化まで辿り着きました。
新しい機能、新しい設計手法などを提案してもらえれば、サポートの利用も増えるかもしれませんね。
貴重なご意見、ありがとうございます。より精度の高い、高度な設計を可能にするように、CODE Vはこれからも進化していきたいと思います。
長谷川 ぜひ、お願いします。赤外用レンズはセキュリティ分野はもちろん、車載用途、最近は家電などにも幅広く使われています。レンズが小型化していく傾向にあり、求められる性能も上がってきています。
今後も引き続きよろしくお願いします。
もちろんです!こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いします。
何かリクエストがございましたら、いつでもご連絡ください。

寺岡様と長谷川様

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