光学用語集ゼルニケ近似多項式(Zernike polynomial)

光学系の波面収差は光線が瞳を通過する座標をx,y として W( x, y ) として表されます。実際は各 x, y に対して対応する波面収差 Wi( x, y ) ( i = 1, 2, ... ,n ) が光線追跡により求まります。W( x, y ) を x, y 及びレンズパラメ−タの関数として表すことは複雑な光学系では不可能ですが、あらかじめ関数形を決めておいて Wi( i = 1, ... ,n ) からその係数を最小二乗法により決めることができます。光学系が対称の場合には波面収差を近似する多項式として、極座標を採用した Zernike 多項式がこの目的によく使われます。

標準ゼルニケ多項式

ここで Anm は標準ゼルニケ係数

この式のよいところは各係数が光学系の収差の特徴と対応していることです。
これにより、収差論的な取り扱いがしやすくなります。

次数  
  n m n-2m  
1 0 0 0 1 定数項
2 1 0 1 ρcosθ 傾き(Tilt)X成分
3   1 -1 ρsinθ Y成分
4 2 0 2 ρ2cos2θ 非点収差(0度と90度方向)
5   1 0 2-1 フォ−カス・シフト
6   2 -2 ρ2sin2θ 非点収差(±45度方向)
7 3 0 3 ρ3cos3θ  
8   1 1 (3ρ3-2ρ)cosθ 3次のコマ X成分
9   2 -1 (3ρ3-2ρ)sinθ   Y成分
10   3 -3 ρ3sin3θ  
11 4 0 4 ρ4cos4θ  
12   1 2 (4ρ4-3ρ2)cos2θ  
13   2 0 4-6ρ2+1 3次の球面収差
14   3 -2 (4ρ4-3ρ2)sin2θ  
15   4 -4 ρ4sin4θ  


各項に分解された波面はそれぞれ以下のようになります。

(この図はCODE Vで表示しています)

フリンジゼルニケ多項式

ゼルニケ多項式には上記の標準ゼルニケ多項式のほかにフリンジゼルニケ多項式もよく利用されます。
フリンジゼルニケ多項式は標準ゼルニケ多項式と、次数のとり方が異なるだけで、実質的に同じ式となります。

ここで Bnm はフリンジゼルニケ係数
次数  
  n m  
1 0 0 1 定数項
2 1 1 ρcosθ 傾き(Tilt)X成分
3   -1 ρsinθ Y成分
4 2 0 2-1 フォ−カス・シフト
5   2 ρ2cos2θ 非点収差(0度と90度方向)
6   -2 ρ2sin2θ 非点収差(±45度方向)
7 3 1 (3ρ3-2ρ)cosθ 3次のコマ X成分
8   -1 (3ρ3-2ρ)sinθ   Y成分
9 4 0 4-6ρ2+1 3次の球面収差
10 3 3 ρ3cos3θ  
11   -3 ρ3sin3θ  
12 4 2 (4ρ4-3ρ2)cos2θ  
13   -2 (4ρ4-3ρ2)sin2θ  
14 5 1 (10ρ5-12ρ3+3ρ)cosθ  
15   -1 (10ρ5-12ρ3+3ρ)sinθ  
16 6 0 20ρ6-30ρ4+12ρ2-1  

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