いまさらきけない光学計算第6回:偏光を計算するために

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0-2: 2次元で考えてみます。

さて、ここまでは平面内で波の振幅を説明してきましたが、ここからは、3次元空間で考えます。 次元も1つ増え、波を2次元方向に分解したり重ね合わせたりします。 対象とする波の形状が複雑だと考えにくいため、単純な波形を取り出して考えます。次のような状態です。

このような光をZ 軸に垂直なX-Y平面から観察し、振幅の軌跡を描いてみると次のようになります。 即ち、原点を中心として、斜め方向に振動しているような軌跡を残します。

このXY平面内の振幅の軌跡を、ベクトルとして考え、X方向のベクトルとY方向のベクトルの和として考えます(これが2方向への分解です)。 下図のようなイメージです。

つまり、もともとの波(黒)は、分解した波()の和として考えます。
次に、分解した波をのベクトルと考え、振幅の軌跡を持つ波を考えると、次のようになります。

XY平面内では、もともとの振幅の動き(黒い点線)を赤と青の2つのベクトルに分けて考えました。 換言すると、光の進行方向であるZ軸に垂直な1枚の平面上において、振幅を2方向に分解した、ということになります。 この操作をZ軸全域に渡り繰り返せば、任意の波をXZ平面内の波とYZ平面内の波に分解することが出来ることがわかります。

これを式で表現すると、
ある位置Zにおける波の振幅A(Z)は、XZ面内の振幅Ax(Z)、YZ面内の振幅Ay(Z)を用いて次のように記述できます。

A(Z) = (Ax(Z), Ay(Z),0)振幅をベクトルとして表します
Ax(Z) = A0x*cos{(-2π/λ)*Z}A0xはXZ断面内の最大振幅
Ay(Z) = A0y*cos{(-2π/λ)*Z}A0yはYZ断面内の最大振幅
(光は横波なので、自分自身の進行方向と同じ向きに振動する振幅は0として考えます。)

このように、ベクトルとして記述される波のことをベクトル波と言います。
また、特に断ることなく記述しましたが、Ax(Z)Ay(Z)ともに位相(コサインの中身)を同じもの(位相差φ=0)として扱いました。ここから先は、両者に位相差φがあるものとして考えます。この位相差φが、偏光状態(XXX偏光やYYY偏光)を表す鍵となります。
即ち、このベクトル波を構成する成分、Ax(Z)Ay(Z)の位相差「φ」が変わる事で、Ax(Z)Ay(Z)で合成される波の振動具合が変わり、直線偏光、円偏光、楕円偏光という偏光状態が現れます。では、位相差φに注目して偏光の様子を見てみましょう。

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