いまさらきけない光学計算第4回:点像分布関数の計算

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2-6: 計算範囲を絞って近似します

次に、光源が配置されている面から計算したい面までの伝搬距離Zが、開口幅dや、開口面上の座標Y0m 、評価したい面上の座標Yと比べてとても大きい場合(Z > d)を考えます。即ち、とみなしても差し支えないくらい伝搬距離Zが長い場合です。
この近似の仕方によって、フレネル領域、フラウンホーファー領域といった分類がなされます。

このような条件下において、複素数で表した波の重ね合わせの式を、次のように変形してみましょう。

ここで、伝搬距離Zは、dやY、Y0mと比べて非常に大きいので、 とみなせます。それくらい遠い伝搬距離を想定します。 今、改めて と置き、観測点(Y,Z)における振幅の和AaddTの関数として考えます(見やすくするためです)。指数関数の内部の平方根をテーラー展開(T=0近傍で)すると、

となります。ここで、指数関数の第3項( )以下が十分小さく、無視できるとして削除し、Zが十分長く、Lmとの差が極めて小さいとして として置き換え、Tを元に戻すと、

となり、Σの外に出せるものを出してしまうと、

とかけます。このように、としても差し支えない伝搬距離は、フレネル領域と呼ばれています。の成り立つ範囲となります。

では、伝搬距離Zが開口の幅に対して更に長いときを仮定し、更に指数関数の中身を分解して、近似を施してみましょう。

ここで、ですから、と近似しました。
この、と出来る領域、正確には、最も絶対値の大きなを用いて としても差し支えない伝搬距離は、フラウンホーファー領域と呼ばれています。

さて、ここで、上で求めた最後の式に注目してみましょう。最後の式は・・・

です。
特に、Σから後ろ部分に注意してみましょう。↓ここです。

これは、離散的な場合の表記ですが、これをY0が連続であるとみなして書き直してみると、

となります。波数をと書き換えると、

となります。この式、何か見覚えはありませんか?
光源面における振幅Aを光源面上の座標Y0の関数A(Y0)とみなし、とみなすと、

となり、1-3 フーリエ変換のおさらい に登場した次の式と同じ形になります。

このことから、
フラウンホーファー領域における振幅は、フーリエ変換で記述されることがわかります。

離散的な形式に書き換えると、以下のようになります。

以上から、開口から遠く離れた領域における干渉パターンが、フーリエ変換で記述できることが分かります。
フラウンホーファー領域は、とみなせる領域のことです。
通常、Y0には、最も絶対値の大きなもの(円形開口の半径や、矩形開口の半幅など)を採用します。
ここでは、平面内(2次元)で考えました。空間内(3次元)における場合も同様の手順で導出することが出来ます。光学のテキストではおなじみですね。平面内の計算でポイントがつかめたら、是非ご自身で導出してみましょう。

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