いまさらきけない光学計算第4回:点像分布関数の計算

この記事の内容

0: はじめに

今回の取り上げるテーマは「点像分布関数」です。英語表記では、「Point Spread Function」です。一体何者なのでしょうか?どういう意味があるのでしょうか? 大まかに、なんとなくは理解されているとは思いますが、きちんと説明できる人は・・・ひょっとすると少ないのかもしれません。特に計算方法なんて・・・

ここでは、実際に計算過程を解きほぐして行きたいと思います。その際、飛躍し過ぎないように式変形を記述するつもりです。そのため、ある程度の量の式が登場すると思います。
また、なるべくご自身で紙とペンで式変形を追ってください。目で追うだけでは腑に落ちないことも、自分でイラストを描きながら読み進んでみると、案外すんなりと納得できると思います。

1: 点像分布関数とは?

1-1: 点像分布関数ってなに?

点像分布関数とは、物体面上の無限小の「点」光源がレンズ(や他の光学系)によって像面上に結像される時、どのような「像」を結ぶか、を表す関数です。

幾何光学的には完全なレンズがあり、幾何光学的な光線追跡では像面上に無限小の1点に収束する場合でも、光の「波」としての性質が現れ、少し広がりを持つ像となります。まさしく、Point “Spread” Functionです。

上図のように、幾何光学的に完璧な光学系(無限小の1点に集光)があったとしても、波動光学的に光を計算すると、次のような広がりが現れます。

これは、光の波としての性質である「回折」が現れ、集光点から少しずれた位置でも振幅が観測されるためです。つまり、集光点の周辺部分にも光が届いている、ということです。原理的には、ヤングの干渉実験で見られる干渉縞と同じです。

幾何光学的に完璧な光学系であっても、実際には広がりを持つ像として結像するのですから、当然、幾何光学的に不完全な(=収差を持つ)光学系の場合には、もっと広がった(あまり綺麗ではない)像が結ばれるため、点像分布関数もいびつな形状となります。

逆に考えると、点像分布関数を詳しく見れば、光学系の持つ収差(理想的なモデルからのズレ)が分かりそうですね!?
そもそも、点像分布関数は、波面収差を元に計算され、波面収差とは理想的な波面からのズレ(光路差または位相差)です。ここで理想的な波面とは、像面上の1点を収束点(中心)とした球面波のことを指します。

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