いまさらきけない光学計算第2回:光線追跡

この記事の内容

2-2: 球面の場合

次は球面の場合です。レンズに使用するガラスの屈折率は1.5とします。

交点(0.5,0.6,0.0305467)における入射角や屈折角を求めてみます。

S = (0.050, 0.060, -0.9969453) = (Sl,Sm,Sn)
D = (0.08584,0.17301,0.9811726) = (L,M,N)
n1=1, n2=1.5

ですから、光線屈折式に代入すると、

左辺 = (Sl,Sm,Sn) × (La,Ma,Na)
= (Sm*Na-Sn*Ma,Sn*La-Sl*Na,Sl*Ma-Sm*La)
右辺 = (1/1.5)* (Sl,Sm,Sn) × (L,M,N)
= (1/1.5)* (Sm*N-Sn*M,Sn*L-Sl*N,Sn*M-Sm*L)

この式を解くと(手計算は面倒!!!ですが・・・)、

X = (La,Ma,Na) = (0.0401467,0.0948415,0.994682)

が求まります。ここから、S,Xの内積を計算し屈折角を求めてみると、10.2805[deg]となります(鋭角に直しています)。同様にS,Dから入射角を求めると、15.5273[deg]となります。この入射角をスネルの法則に適用すると、屈折角は、光線屈折式ともに10.2805[deg]が導かれます。光線屈折式とスネルの法則とで結果は一致します。

他の曲面の場合でも手順は同様ですので、一度試してみると良いとおもいます。

3: まとめ

今回のテーマ「光線追跡」は3回にわたり、3次元的な光線追跡について触れてみました。いかがでしたか?
実際に3次元的な光線追跡を体験することにより、どのような式に基づいてソフトウェアが光線追跡を行っているのかがクリアになったのではないでしょうか。(そうなれば嬉しいのですが・・・)
実は、この光線屈折式、「光学」に関するテキストには、あまり紹介されていません。記述があっても、どこかにサラッと「光線屈折式」が紹介されていることが多く、本当に目立たない(筆者手持ちのテキストは・・・)ので見過ごされがちです。
しかし、3次元的に光線進行方向を計算する場合、非常に役立つ式でもあります。頭の片隅にでも置いておくと、近い将来役立つことがあるかもしれません。

「光線追跡」おわり。

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