いまさらきけない光学計算第2回:光線追跡

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2:光線屈折式〜ベクトルで考えるスネルの法則〜

光線屈折式とは、スネルの法則を3次元に拡張したものに相当します。ベクトルで記述されます。定義は以下の通りです。

ここで、
S = (Sl, Sm, Sn)...交点における法線ベクトル
D = (L, M, N)...入射光の方向ベクトル
X = (La, Ma, Na)..射出光の方向ベクトル
×は外積です

面の法線ベクトル Sがなければ、殆どスネルの法則と同じ形ですね。覚えやすいのではないでしょうか。実際に2パターンほど計算してみたいと思います。

2-1: 平面の場合

最も簡単なケースです。通常よく目にするスネルの法則を使った検算も容易です。
今、下図の通り屈折率=1.5のガラス板に、入射角(平面の垂線から)30度の向きから光線が入射したとします。

この場合、n1=1, n2=1.5, S = (0,0,-1), D = (0,sin30,cos30) ですね。
X = (La,Ma,Na) とおくと、光線屈折式の左辺と右辺はそれぞれ以下のようになります.

そして、左辺 = 右辺 ですから、

- La = 0
Na = 未定

となります。

ここで、方向ベクトルの大きさは1であることを考慮すると、絶対値の計算から、が直ちに求まり、ここから更に屈折角を求めると19.471[deg]となります。


=>θ =160.529 =>19.471[deg] (鋭角に変換)

通常のスネルの法則を計算してみましょう。
n1=1, n2=1.5,入射角=30度 ですから、屈折角をφとすると、
1 × sin 30 = 1.5 × sinφ => φ= 19.471[deg] となります。

光線屈折式と通常のスネルの法則、両者の結果が一致しました。

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