いまさらきけない光学計算第2回:光線追跡

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1-3: 入射角

方向余弦を基に曲面上の交点が求まったら、次は交点以降の光線進行方向です。即ち、スネルの法則に従って屈折角を求める過程へ移ります。しかし、現時点ではガラスの屈折率と入射光の交点、および入射光の進行方向は分かっていますが、「入射角」が不明で、スネルの法則を使うことが出来ません。どうすれば面への入射角を求めることが出来るのでしょうか?

面への入射角を求めるには、交点における「垂線(法線)」を知る必要があります。言い換えると、交点における「接平面の法線」です。入射角は、この法線を基準としています。
この接平面に対する法線ベクトルが分かれば、入射光の方向ベクトルとの内積を計算するだけで、入射角が分かります。ちなみに、面の法線ベクトルは、面形状と面上の座標が分かれば計算することが出来ます。

幸い、CODE Vは交点における面の法線ベクトルのX、Y、Z成分を計算して返してくれます。実際には入射角も計算してくれるため、本来このような計算は不要ですが、あえて面の法線から入射角を求め、求めた入射角から屈折角を求めてみます。

交点における法線は、そのまま交点における接平面の法線ですから、よく出てくるスネルの法則に落とし込めます。上図の交点付近を拡大すると下図のようになります。


さて、現状では面の法線ベクトルと光線の方向ベクトルが情報として手元にある状態です。後はこの2つのベクトルのなす角を求めれば、これが入射角となります。

面の法線ベクトル= (Sl, Sm, Sn) (θの範囲を考慮し、符合を反転させます)
光線の方向ベクトル= (L, M, N) 方向余弦

とします。ともに絶対値は1です。両ベクトルのなす角をθとし、内積を計算すると

- Sl * L - Sm * - Sn * N = cosθ (正負の符号を考慮)

となり、ここからθについて解くと、これが入射角になります。

1-4: 屈折角

入射角が求まれば、次は屈折角の計算です。

実はあまり紹介することがありません(汗)。
なぜなら、すでに入射角が分かっており、これをスネルの法則に当てはめれば答えが出てくるためです。しかし、屈折角だけでは、屈折後の光線の進むべき方向は”1つには”決まりません。なぜでしょうか?
それは、交点における法線に対して、屈折角と同じ角度で進むベクトルは無数に存在するためです。そこで屈折光の方向をただ一つに決めるため、屈折光の方向ベクトルを求める必要があります。

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