いまさらきけない光学計算第2回:光線追跡

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0: はじめに

スネルの法則は、幾何光学を学び始めると初期に登場し「屈折」という現象を記述する非常に大切な法則です。このスネルの法則は、光線入射角と材質の屈折率を用いて、「屈折角」を求める式です。ごく簡単な平面の場合には、手計算でスネルの法則を計算し、屈折光の進行方向を求めることが出来ますが、より複雑な形状や3次元曲面になると、このスネルの法則を適用して簡単に光線進行方向を求めることは出来ません。
このように、複雑な形状や3次元的に屈折を考える場合、どのように計算すればよいのでしょうか?
その答えが「光線屈折式」です。
今回、3次元的な光線追跡を理解する上で最低限必要なパラメータ及び考え方に加え、実際に光線屈折式を用いた3次元的な屈折計算をします。この光線屈折式は、「ベクトルで考えるスネルの法則」、と表現すれば分かりやすいと思います。

1: 光線追跡に必要なパラメータ

今回のテーマは光線追跡です。厳密な光線追跡は、光学設計ソフトウェアの生命線でもあります。光線追跡計算に必要な情報、或いは光線追跡で得られる情報の中でも特に重要なものは、「光線の方向ベクトル」です。教科書的に言うと、「方向余弦」です。
計算開始時に「光線がどの方向を向いているか」、が決まらなければ計算自体できません。

光線の方向ベクトル、つまり方向余弦がわかれば、光線が面とぶつかる「交点」や「入射角」、「屈折角」、更に屈折後の光線進行方向を表す「方向ベクトル」を求めることが出来ます。即ち、スネルの法則を計算することが出来るようになります。

早速ですが、以下のステップに沿い実際に光線の方向余弦から交点、入射角、屈折角、屈折光の方向ベクトルを計算してみましょう。

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