いまさらきけない光学計算第1回:光線と波面

この記事の内容

2-2: 3次元で考える

次に、波面を3次元に拡張してみましょう。下図のようなイメージです。(Y方向に変化がないと仮定すると、Y軸方向にはトコロテン式に同じ断面があらわれます。)


少し3次元的に見た図
2次元的な接線は、接平面内に含まれます

X-Y平面内で求めた導関数は、3次元的にみると、偏微分により求めた「偏導関数」であることが分かります(xのみの関数として微分しましたよね?)。
続いて、各ベクトルも3次元に拡張してみましょう。Y成分がないので、以下のようになります。

接線の傾きベクトル
法線ベクトル

勿論、3次元に拡張しても、両者が「垂直」である、という関係は変わりません(内積=0)。

しかし、どのようにすれば、3次元的に接線ベクトルから法線ベクトルを求めることが出来るのでしょうか。
答えは、「外積」です。


ある平面内のベクトルA,Bの外積を計算すると、この平面の法線ベクトルが出てきます

光線の交点における法線ベクトル、即ち接平面における法線ベクトルを求めるためには、交点における接平面内に含まれる(一次独立な)2本のベクトルが必要です。必要な2本のベクトルのうち、1本は です。あとはもう1本をひねり出すことができれば準備完了です。しかしどうするのでしょうか?
は接線の傾きを表すベクトルであり、 xのみの関数とみなして微分することで求めました。いわゆる「偏微分」です。従って、必要なもう1本のベクトルも、これと同様に波面を表す関数をyのみの関数とみなして微分し、偏導関数を計算することで求めることができます。


偏導関数と接平面内のベクトル、外積から法線ベクトルへ

この例では、Y方向の変化に対して、Z方向が全く変化しないため、Z方向の変化に対するY方向の変化は0です。よって必要なもう1本のベクトルは(0,1,0)としてかまいません。

これら2本のベクトルと(0,1,0)の外積を計算してみるととなり法線ベクトルが求まります(-1をかけるととなり同一直線上にあることがわかります)。このような手順を踏むことで、波面から光線へと変換することが出来ます。必要な知識は「(偏)微分」と「ベクトル」の2つだけです。

3: まとめ

最後に軽くまとめてみます。

光線と波面
  • 光線と波面とは直交関係にあります。
  • 光線は波面の局所的な進行方向を表します。
  • 波面の局所近似が光線です。
波面から光線へ変換
波面のある点において
  • 2本の偏導関数を計算する
  • 偏導関数から接平面内のベクトルをつくり、
  • 外積を計算する。
以上の手順で波面から光線を導出することができます。

いかがでしたか?波面から光線へ頭の中で違和感なく変換できるようになりましたか?
これが出来れば、幾何光学と波動光学とが違和感なくつながり、両者の壁は取り払われるはずです。

「光線と波面」おわり。

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