新入社員の独り言 STEP4:CODE Vに触れてみた 宿題解答

問題

  1. 「ザイデルの5収差は何に依存するのか・・・また、非球面による補正効果は?」
  2. レンズ性能は、絞り込むと改善される、と言われます。収差との関連はどのようになっているのでしょうか?

回答 1

ザイデルの5収差:球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差。
(*回転対称な光学系を前提に考えます)

球面収差:口径に依存
より広範囲の光を取り込むとズレは大きくなります。そのため、主に口径に依存した収差だと考えられます。
レンズ通過後の光線方向を変えればよいので、非球面を使用して各光線の入射/射出角を調節するとことで効果的に球面収差を補正することが出来ます。

コマ収差:画角と口径の両方に依存
軸上の画角では発生しません。ある角度を持って光学系に入射する光線に特有に発生します。発生しない場合もあります。光線群がレンズをどのような角度で通過するかどうかで決まります。つまり、通過するレンズ断面の曲率(パワー)の違いにより集光位置が異なるために発生します。口径を絞ることで、主光線から遠い光線を削ることができ、コマ収差を小さくすることが出来ます。そのため、画角と口径の両方に依存しているといえます。
非球面の使用で改善することは可能だと思いますが、口径を調節する方が効果的だと思います。

非点収差:画角に依存
もともと「点」であったものが像面では点として再現されない状態です。軸上では発生せず、画角を持って入射する光線にのみ発生します。メリディオナル光線群の集光位置とサジタル光線との集光位置のズレが原因です。これは各光線群が通過するレンズの断面形状(あるいはパワー)が異なるために発生します。画角が大きくなるにつれ、メリディオナル/サジタル光線が感じる面の曲率半径の違いに依存するため、主に画角依存の収差だと考えられます。
非球面を使用してメリディオナル/サジタル光線が通過する面の曲率を変更することで、改善できると思います。

像面湾曲:画角に依存
各画角によって焦点位置が異なることを表現している収差です。そのため、像面湾曲を小さくすれば、各画角の焦点位置が平面に近づきます。光線の通過する面の形状を変更すると焦点位置の調節することが出来るため、非球面による補正は効果的だと思います。

歪曲収差:画角に依存
各画角の光線を同一平面上に集光させることが出来たとしても、再現される像が元の形状と相似ではなくなる状態です。平面上に集光できているため、口径で光束を絞っても改善されるとは考えられません。レンズの面をどの様に通過するかによってその度合いが決まるため、画角依存性のある収差だと考えられます。
既に像面上で焦点が合っているため、開口による焦点位置の調整効果は期待できません。それよりも、面形状の変更する方が効果的です。従って、非球面により効果は高いと思います。

回答 2

レンズ性能は、絞り込むと改善される、と言われます。収差との関連はどのようになっているのでしょうか?
絞り込む=主光線から遠い周辺光を排除する、逆に言えば、主光線に近い位置を通過する光線を使用するということです。そのため。取り込める光量は少なくなりますが、主光線からのズレ量も相対的に少なくなります。
軸上で言うと、近軸計算の値に近づきます。つまり理想状態に近づくといえます。そのため、絞り込むと収差状態が良くなる=性能が上がる、と言えるのではないでしょうか?

先輩からのアドバイス

ザイデルの5収差は3次収差とも呼ばれていましたね。回転対称な光学系の場合、任意の光線の特性(収差)を、以下の量を使用して記述します。
  • (画角)
  • (瞳内の位置→光軸からの距離→以下では”口径”と記述)
夫々が何処の量を指しているかは、以下を参照してください。

「3次」収差とは、これら二つの量、(画角)と(口径)の3次式で記述できると言うことです。各収差と、画角、口径との関係は次の通りです。

球面収差:∝(口径の3乗)
コマ収差:∝(口径の2乗)*(画角の1乗)
非点収差:∝(口径の1乗) *(画角の2乗)
像面湾曲:∝(口径の1乗) *(画角の2乗)
歪曲収差:∝(画角の3乗)

この関係を眺めてみても、以下のようなことが再確認できると思います。

  • 歪曲収差は口径に依存しないため、絞っても改善されない
  • 画角が大きくなると、それに比例して、多くの収差は大きくなるが、球面収差は画角に依存しない→軸上画角でも発生する
などなど

どうでしょう?宿題の答えは一目瞭然ですね?
ここで紹介した5収差がどのように「口径」と「画角」に依存しているのか、ということを頭に入れておくと性能改善に役立ちます。覚えておいてください。

STEP4:CODE Vに触れてみた    STEP5:基本的な収差

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