光学設計コンテスト(CODC)/ Sさん. Step3暗中模索 ついに一筋の光明が!

まず、戦略を立て直すために、設計課題の文言解釈からやり直しました。次にCODE Vのクセ(?)を確認してみたところ、そこからいろいろと見えてきたのでした。
今回からは、本格的に設計に入っていきます。キーワードは「忍耐」です。

方針:とにかく、条件を満たすモデルを地道に探そう。(人間側の努力)

前回:原点回帰 千里の道も一歩から!の試し切りならぬ試し設計では、10枚の平行平板を元にCODE Vの最適化能力をフルに利用して、CODE Vのクセなるものを踏まえつつ、各面の形状をまとめていきました。
この回からは、本設計ということで初期の平行平板も10枚から21枚に増やしてスタートします。

前回の試行錯誤の結果、

入射瞳   ⇒ 広げても(画角と比較して)、収差補正が容易
画角      ⇒ 補正がかなり難しい
ということがわかっていますので、初期EPDを少し難しそうな 50 (mm)、画角を20 (deg)として、後はAUT ;GOを繰り返します。

その他、絞りの位置ですが、前回までは前絞りタイプとしていたところを中絞りタイプに今回から変更してみました(世間一般的に、中絞りのタイプの方が多いことより、バランスがよいのではないでしょうか)。

最適化の手順

全ての面の曲率半径と面間隔、およびバックフォーカスを最適化変数として設定し、以下の手順で形状をまとめていきます。

  1. 最適化の際、何も制約を加えずにデフォルトの評価関数を使用して収束性能だけを上げる
  2. 像面に近い面の曲率半径が大きく、逆に物体面に近い側の曲率半径が小さくなるように手動で変更を行う。曲率半径を手動変更したものは随時固定する
  3. 限界(0.1mm)まで薄くなった平板やメニスカスレンズは躊躇なく削除する。そしてAUT ;GO
  4. 同曲率となって、ほとんど”貼り合せ”となった面もまとめて削除する。そして、AUT ;GO

スケーリングでEFLを100付近(95〜105)に設定し、EPDもスケール。

これをひたすら繰り返しました。

途中から、「最初と最後の面は平面からスタート」することにしました。
理由は・・・「立てると立ちそうだから。」と、「なんとなくカッコイイから。」です。
光学的な理由ではなく、所有欲が沸くか否かです(ま、このレンズ作らないんですけどね・・・)。

この方針でたどり着いたものが以下のモデルです。

初期状態少し変更したものからスタート。(1枚目を平凸)
こんな感じで、空き時間にチョコチョコと素性の良いレンズが出てこないかな・・・と探しました。
最初は、曲率半径は全て固定し、面間隔のみで最適化を実行していましたが、限界を感じていました。何せ、性能改善には「全長が伸びる」しかないのです。そこで、曲率半径も変数とし、動かしたいなぁ・・・と思い、簡単なマクロを作成しました。光学系の前側にダミー面を挿入し、正の曲率半径を与え、現在の符号を考慮してこのダミー面に対して全ての面(平面以外)をピックアップするという処理をするマクロです。
このマクロを利用すれば、曲率半径の組み合わせさえ決定していれば、ダミー面の曲率半径を変数とするだけで、他の面も同時に動くようになります。このマクロ、とても便利です(この設計課題に対する用途以外、何の価値もありませんが)。

ある日セミナーを終え、後片付けをしながらボケーっと解を探していました。
(セミナー用のPCは、普段使っているものよりも高性能で、快適です。)

そこで、ついに発見しました!
探し続けて幾星霜。ついに待望の設計解に辿り着きました。

EPD=50 YAN=13.5[deg] で条件を満たしています。評価関数は675。レンズ枚数は9枚。長いです。一番左側の曲線はダミー面です。

「ま、Aさんが1000くらいやから、これで十分やわ。ボクはマンゾク。締め切りは先やけど、もう、終わったことにしとこ。」
と考えていました。。。

ところで、隣は何をする人ぞ?

一先ず設計解が見つかりましたので、めでたしめでたしです。しかし、Iさん、Oさん、Uさんはまだまだがんばっています。まじめです。尊敬しています。そして、どこからか、評価関数が1000を超えた・・・などと言うけしからん(?)声が聞こえてきたのです。

なん・・・だと・・・?

こうなると現金なもので、1000を超えてみたくなります。
しかし再び、地道にレンズデータを探す日々には戻りたくありません。どうしましょう・・・
そこで、現在の最良解からスタートすることにしました。

光路図を見ながら、光線の折れ曲がりがきついところに2〜6枚の面を挿入し、最適化。
曲率半径の絶対値が大きなものは平面、小さなものは、ピックアップ・・・というように、人間手作業による最適化を実施しました。

「あ〜、めんどくさぁ。チマチマやってられんわ。」
まるで生ぬるいモヤの中を彷徨っている気分です。なかなか性能は向上しません。
ちょっとだけMFは上がりましたが、780くらいで打ち止めです。なかなか800を超えず、進歩のない日々が過ぎ去ります。

一方、別の仕事で、光線追跡や波動光学の復習をしていました。微分やベクトルなど、気分はまるで高校生。とても気分転換になります。鉛筆カリカリ、気分はノリノリ、地道な作業はもうコリゴリ。

でもふとした瞬間に頭をよぎるのはやっぱりCODCのことです。
あ〜も〜、どうすれば評価関数のスコアをのばせるねんな・・・
と悶々とした中、今回は終了。次回:不撓不屈 そしてセレンディピティ到来!最終回に請うご期待!

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