光学設計コンテスト(CODC)/ Sさん. Step1その答えは、神のみぞ知る!

全てを偶然に任せる

設計制約上、曲率の絶対値が同じとなっているので、曲率さえ決まればあとは、凸、凹、平の3パターンの内どれに該当するのかを決めるだけです。そこで、これら3パターンの形状をランダムに選択(既存の擬似乱数発生マクロ関数”RANDF”を使用)して、前から順に面に当てはめた光学系をいくつも作成しながら、ある程度の結像性能をもった系がないかどうかを探していくことにしました。

曲率半径の絶対値は、100としておきます(最終的に焦点距離については、スケーリングであわせ込みます)。また、面間隔が重要なパラメータとなるのですが、ひとまず芯厚、空気間隔はそれぞれ一定とし、曲率半径のみを変更(−100、0、100のどれか)して初期解を探します(この処理はマクロを組んで対応しました)。

面形状の割り当てが済んだら、焦点距離を確認します。焦点距離の符号が正の場合には、面間隔のみを変数として、簡単に最適化(20サイクル程度、制約条件ナシ)を実行して集光させます。この後、焦点距離のスケーリングを実行して、最後に結像性能についてチェックをおこないます。具体的には、最大画角のRMSスポット径が0.1mmよりも小さい場合には、初期光学系の候補として、そのレンズデータを保存します。

初期光学系候補の選別フロー


評価関数(MF)について

初期光学系の作成に際して、入射瞳径および画角については、決め打ちで行います。つまり、どのくらいの評価関数(MF)となる系を目指すのかを、予め決めておいて、システムデータで明るさおよび画角を設定しておきます。

検出された初期光学系の候補

MF:400 性能仕様:未達

MF:640 性能仕様:未達

MF:780 性能仕様:未達

最終的な最適化

上記処理にて、結像性能および光路図から良さそうな解が見つかったら、詰めの最適化を実行して、最終解を求めます。初期光学系では、焦点距離やディストーションなどの制約条件を設定せずに最適化を実行していましたが、最終フェーズでは、これらの制約条件を課して最適化を実行します。が、・・・

神はサイコロを振らない

結局このアプローチでは、なかなか(というか全然)良解が得られませんでした。結果的に10000個のレンズデータを作成しましたが、一定以上の集光性能をもつものは10個程度。さらに他の条件を加味すると、それらしい解は1,2個にまで減ってしまいます。とても効率が悪い。

今回のアプローチを振り返って、彼のアルバート・アインシュタイン博士の言葉が浮かびます。やはり全てを運否天賦に任せるというのはいただけない。何がしかの必然性がなければ。

よくよく考えてみると、レンズ枚数制約は21枚。よって面数で42面あるので、組み合わせはなんと、3^42 = 109,418,989,130,000,000,000(1概)通りもあります。まず手始めにということで、レンズ枚数15枚からスタートしたのですがそれでも組み合わせは、3^30 = 205,891,132,090,000(205兆)通りもあります。

う〜む。総数当たるのはそもそも不可能っぽいです。完全に無作為抽出なので、どんな解も等確率で出現するはずなのですが、いかんせん母数が多過ぎでした。“チャンスの前髪”はなかなかつかめないものです。

(結論) この方法は、うまく行かないことが分かったので成功(トーマス・エジソン風)。
さてどうしたものか・・・ということで次回:原点回帰 千里の道も一歩から!に続きます。

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