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事例・技術情報

ウェブやE-Learning と連携した新しい数学教育を
九州工業大学大学院 生命体工学研究科 立野 勝巳 准教授

今回は、九州工業大学 立野 准教授に、数学教育のためのユニークな取り組みをお伺いします。

立野先生のプロフィール


九州工業大学 生命体工学研究科は、日本で唯一の研究科として非常にユニークな教育をされているとお聞きしました。

はい。「生命体工学」とは生体や脳の持つ優れた機能を工学的に応用することを目的とした工学で、学部を持たない独立研究科として2000年に設立されました。研究科には2専攻があり、生体機能システム、神経情報処理、脳型情報処理機械、数理脳科学など14の基幹講座や協力講座から構成されています。中にはヒューマンメカトロニクスやエコ・ハイブリット ウエルディングといった企業からの寄付講座も設置しており研究内容はバラエティに富んでいます。

先生の主な研究内容について教えて下さい。

私の講座は神経情報処理講座といいまして、さまざまな神経細胞の活動を模した数理モデルをつくって、神経情報処理のしくみ解き明かす研究をしています。できるだけ本物の神経情報に近い数理モデルを作ることが重要で、その研究にMaple を使っています。
もともと、カナダ・モントリオールに留学していた時に、知人から紹介されてMaple を使うようになりました。

生命体工学研究科では、Maple をどのように利用されているのですか?

この研究科は、電気、機械、制御などの工学系からだけではなく、文系や医学系など、さまざまなバックグラウンドを持った学生が入学してきますが、「生命体工学」を修めるためには、数学的な基礎知識が不可欠となります。すべての学生に共通の数学的知識を学んでもらうために、平成20年度より2年計画でウェブやE-Learning システムを活用した基礎的な数学教育のインフラ整備を進めています。
このプロジェクトに、Maple を採用しました。具体的には、学生の数学的知識にあわせて、

  1. 数学基礎
  2. 基礎理論
  3. 応用研究
の3つのフェーズに分け、
1、2についてはMapleT.A.(注:Mapleを活用したWebベースのE-Learning システム)
3についてはMapleNet (注:Maple で作成したワークシートやアプリケーションをブラウザ上で利用可能なアプリケーションとして活用)
を使って教育コンテンツを作成して学内のイントラネットに掲載しています。


学内イントラネット (MapleNet で容易にウェブコンテンツを作成)


なぜMaple T.A. やMapleNet を選ばれたのですか?

もともと私自身がMaple 6 から使っていますので、使いやすさの点でも数学的機能の豊富さも魅力でした。今回、学科内の数学教育の環境整備をするというチャレンジングな任務に携わることになって、ウェブやE-Learning システムと連携した効率的な教育コンテンツ作りができるツールをいろいろと探したのですが、Maple T.A. やMapleNet が自分ややりたいことにぴったりはまったのが大きいと思います。さらにMapleは、大学で契約しているMATLAB/Simulink と連携できますので、その点も魅力ですね。


授業の様子はいかがですか?

理論的な授業は背景を説明するだけではなく、実際にMaple を使って視覚的に数式を表現することにより、深い理解が得られるようです。退屈そうにする学生が減ったような気がしますね。また研究発表では、Maple のワークシートを使いグラフィックスを使いこなして工夫した発表をする学生もいますよ。授業以外でも、学内イントラネットに講義で使った資料や、例題、FAQ、インストール方法を掲載していますので、学生がいつでも好きなときに学べるような環境を提供しています。

Maple、サイバネットへの要望や将来の展望などがあればお願いします。

今回のプロジェクトが終わるまでに、Maple を使った例題を1000個用意する予定なんです。サイバネットさんにもお手伝いいただけると助かります(笑)。 Maple T.A. については、完全な日本語対応と教育コンテンツのサンプルの充実が待たれますね。また、指導する側のガイドのようなものがあれば助かります。


最後に、学生に向けたメッセージをお願いします。

生命体工学の応用分野は、さまざまなところに広がっています。講義で学ぶ知識をより深いものにして、独自に発展させるためにも、数学をもう一度勉強してみましょう。E-learningシステムとして、Maple T.A.やMapleNetのコンテンツが日に日に増えているので、どんどん活用してほしいと思います。英語の問題なども用意しているので、数学で英語も学ぶ機会にもなって一石二鳥です。MapleNetのコンテンツについては学外にも公開予定ですので、興味のある方は立ち寄っていただければと思います。最後に、数学解法の技術的なところだけでなく、数学を学ぶことで身につく論理的思考など身につけてもらえることを期待します。

取材を終えて

ユニークな学科ゆえに抱える課題を、アイデアを駆使して取り組まれている真摯な姿勢が印象的でした。立野先生、貴重なお時間をいただきありがとうございました。

(2009 年 12 月 22 日)



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