信号処理と言われると遠い存在に思われがちですが、実は身近なところで使われています。
普段、何気なく使っている携帯電話は、信号処理のカタマリと言っても良いでしょう。データのやり取りするために、暗号により情報の保護を行い、誤り訂正と呼ばれる技術を使い通信の品質向上が図られています。無線で通信するための技術自体にも、複雑な信号処理が使われていますし、声を伝えるためには音声の信号処理も必要となります。また、携帯内蔵のカメラで撮る写真や動画に対しては、画像の信号処理が行われています。
この携帯電話で使われているような様々な信号処理は、日々進歩することが求められており、近年の技術革新には目覚しいものがあります。そのため、新たなアルゴリズムの開発や改良、高速化、実装コードの削減、開発期間の短縮などの要求に対応するため、シミュレーションの重要性が高まっています。
携帯電話で使われている様々な信号処理
暗号というと、軍事利用を思い浮かべがちですが、普段使っている携帯電話でも使われていますし、無線LANでも使っており、無線通信においては必要不可欠な技術となっています。
暗号処理には、Maple による数式処理が役立ちます。暗号化アルゴリズムを作るだけでなく、暗号解読に対しどれだけ強いかの検証も、Mapleの数式処理機能が利用されています。
“Hello World!!”の暗号化・復号化
近年の携帯電話にはカメラが標準で装備されるようになりました。オートフォーカスやズームの機能も信号処理によるものと言えます。また、カメラを使用して2次元バーコードを読み取り、ウェブサイトのURLやメールアドレスを認識するというのも信号処理により実現しています。
Mapleでは、ImageToolsというパッケージにより、画像処理をサポートしています。
エッジ検出の例
携帯電話は本来通話をするためのものですから、もちろん音声の信号処理も行われています。効率良く音声を伝送するための符号化処理も、信号処理の1つです。現在の携帯電話では音楽再生機能が充実していますので、ポータブルオーディオにあるようなノイズキャンセリング技術の適用も可能ではないでしょうか。このノイズキャンセリング技術は、周囲の音を消して、聞きたい音のみを聴かせるフィルタとも考えられます。
Mapleでは、AudioToolsパッケージにより、数式をベースとした音声・音響信号処理を行うことが可能です。
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