コラム「Goldfireで何ができるのか?」バックナンバー

2011.8「当たり前」からイノベーション

幼少の頃のエジソンは「リンゴはなぜ赤いの?」と聞いて先生を困らせたといいます。当たり前のことほど検討する価値はあるかも知れません。

この夏も、皆さんの周辺では「団扇(うちわ)」が大活躍しているのではないでしょうか。
電気を使わず、どこでも誰でも使えて、風量や風向きの調整も自由自在。すばらしいアイテムです。私もよく使います。
しかしただ一つ、片手が塞がってしまうところが難点です。
節電を気にしなくて良いのなら、冷房や扇風機を使うという手もあるのですが…

そこで今回は、「団扇を使うと手が塞がってしまう」という『当たり前のこと』について、Goldfireで根本原因分析を行って手が塞がらず涼しくなる方法を検討してみます。

根本原因を分析する

まず、根本原因分析です。「団扇を使うと手が塞がってしまう」のはなぜか?と考えてみると、「そもそも団扇を使わなければならない状況だから」「手で持たないと団扇の機能は発揮されないから」という二つが考えられました。さらにこれらの原因をそれぞれ考えて行き、原因結果線図を作成します。
結果として、次の2つのパターンの中核問題を特定してみました(解くべき問題は無数のパターンがあり得ます)。

  • 「風を起こし、強さや向きを調節する機能」を手が担っている。かつ電気が使えない。
  • 体温より低い温度のものが皮膚に当たらない。また、風が無いと気化熱もあまり奪われない。かつ電気が使えない。

このうち2については「電気と風を使わず涼しくなる方法」があれば解決できるので、Goldfireのナレッジナビゲーターを利用して調査し、冷却材や気化熱を利用した方法などの情報を多数得ることができました。そこで、以下では1について検討してみます。

解決コンセプトを作る

前項の1を解決するために必用なことは、

  1. 手を使わず風を起こす
  2. 手を使わず風の向きを調節する
  3. 電気が供給されなくても使える

を同時に満たすことです。

1. と 2. については、Goldfireの知識検索で「空気を動かす」や「風の向きを変える」と入力し、ナレッジナビゲーターの「方法」欄などを参照すれば様々な方法を知ることができます。一方で問題は、「電気が供給されなくても使える」ということです。
探してもなかなか良いヒントは見つかりませんでした。そこでGoldfireのTRIZ発明原理を参照しながら、強制発想でアイデアを出してみます。例えば・・・、

「セルフサービス原理」から、

  • 電気が供給されなければ電気を作ればよい?・・・熱や振動や光から電気回収?
  • 手を使わず人が自分で風を作る?・・・息?

「周期性原理」から

  • 連続でなく、時々風が起きればよい?・・・ゼンマイを巻く? フライホイール?

発明原理の「セルフサービス原理」。原理を図解で説明し、適用例も掲載されている。

などなど、少し無理があってもとにかく考えていきます。そしてこれらアイデアと 1. と 2. の調査から得られた情報を一つのコンセプトに纏めます。ここでは、「息を使う」というアイデアと知識検索で調査した 1. や 2. の方法を組み合わせ、次のようなコンセプトを考えてみました。

「人の吐く息を“自在な形で固定できるホース上のもの”を使って体に当たるようにフィードバックできる装置」

ただ…息では空気の量が足りないような気がします。そこで今度はGoldfireの科学効果を参照し、空気量を増幅する方法を調べてみます。
すると流体の圧力が下がることを利用し周囲の空気を引き込む「突き出し効果」が使えそうです。また人の息は生暖かいので少し温度を下げたいところです。再度科学効果から、水の蒸発を利用するシンプルで動力を使わない「冷却装置」を見つけました。
上記コンセプトにこれらを加え、後は実験で検証する必要があります。はてさて、上手くいくでしょうか…

Goldfireは調査検討を一貫して支援する

今回はGoldfireを利用し、「不便だな」という素朴な思いから「団扇を使うと手が塞がってしまう」という当たり前のことを検討・発展させ、(多少無理がありますが)「息で涼む」というコンセプトにたどり着きました。
実際の開発では、実験前にニーズを調査して「作ったところで売れるのか?」といった検討をする必要があるでしょう。また、上記2に対する様々な方法や、1に対する他のコンセプトを比較し、ニーズやコスト・難しさを考慮したうえで“最適なコンセプト”を選択することも必要でしょう。Goldfireであれば今回のような検討から、ニーズの調査検討、コンセプトの比較まで一貫して支援することが可能です。

当たり前だと思われることでも、Goldfireでロジカルに検討し、調査検討してみてはいかがでしょうか。イノベーションにつながり兼ねない意外な気付きがあるかもしれません。

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