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【第5回】メルマガ3月号 今月の検索Hit Word伝送線路シミュレータ

私が初めて伝送線路という言葉を聞いたのは、配属先の部署で扱っている伝送線路シミュレータ OrCAD Signal Explorer (以下SigX)という製品について聞いた時のことです。

そのときの記憶では、伝送線路というのは部品間をつなぐ「配線」とのことでした。伝送線路にもインピーダンスが存在していて、特に高周波回路では信号の反射や遅延が発生してしまいます。また配線に近接した箇所でノイズが発生すると電磁界により、伝送線路にノイズが伝搬してしまい、信号の品質が悪くなることがあります。伝送線路シミュレータSigXは、このような伝送線路における信号品質を解析するツールだと教わりました。
SigXでは特にプリント基板の配線パターンのトポロジを抽出してシミュレーションすることが可能で、信号の反射,遅延,クロストークを確認することができます。その結果、製品を安定,安全に動作させる最適なパターン幅、長さ、部品配置を設計段階で確認することができると教わりました。

伝送線路についてもう少し調べてみると、高周波,ノイズ,インピーダンス,信号品質(SI)といったキーワードがよく出てきます。これらの共通点は、近年の信号の高速化と、パターン配線に含まれるインダクタやコンデンサの影響により、インピーダンスのミスマッチが発生し、その対策のために信号品質の重要度が高まっていることを知りました。さらには信号のオーバーシュートや反射の影響のみではなく、電磁ノイズの影響度も増し、総合的な信号品質が大切になっていると考えられます。従って、伝送線路シミュレータを用いた信号品質の解析に注目が集まっているようです。以上のことから回路設計およびプリント基板設計を行なっている方々にとって特に重要なキーワードであると理解できました。設計の現場では様々な苦労があるのでしょうね。

ところで、私は回路シミュレータの担当なので、今までSigXはあまり関係ないツールだと思い、全く触っていませんでした。ある日、回路シミュレータを使用されている方から「伝送線路を考慮した解析をPSpice(回路シミュレータ)でできるの?」というお問い合わせが数多くあることに気付き、伝送線路の解析は回路設計者の方々にも注目されていると知りました。

この要因を先輩に聞いてみると、やはり近年デジタル回路の高周波化,高密度化による影響で信号品質の低下が問題となっていると言うのです。この問題は、従来の設計フローである基板設計後の伝送線路解析で、信号品質の問題が多発し、設計の見直しという作業が多くなるのが原因だそうです。最近では、回路設計時に伝送線路解析を行なうことで、設計効率の改善が実現できると考えられているため、回路設計者の方々にも伝送線路解析が注目されているのだと分かりました。

そこで、私の得意分野である、回路シミュレータのPSpiceでも伝送線路解析が実行可能か調べてみました。すると、TやTlossy(共にAnalog.olb内のパーツ)で伝送線路を定義することが可能だと分かりました。しかし、伝送線路を定義する作業は、配線モデルに1つずつ特性インピーダンスを指定しなければならず非常に難しく大変な作業でした。

ところで、SigXとはどういう製品かというと、SigXは、高速プリント基板向けの伝送線路シミュレータです。配線のトポロジ、信号品質をシミュレーションすることが可能で反射、遅延、オーバーシュートなどが確認でき、その結果から配線トポロジの最適化を行なうことが可能です。扱える解析モデルは、IBISモデル,SPICEモデルなどです。

ということで、今まで触ったことのない、基板の伝送線路解析ツールSigXで解析を行なってみました。伝送線路の解析は基板レイアウトツール(OrCAD PCB Editor)と連携させることで、基板上の配線を伝送線路のトポロジとして自動で抽出する機能が標準でついているため、非常に簡単に伝送線路解析にこぎつけることができました。

今回、信号品質の確保を目的とした、伝送線路解析ツールが注目されはじめていることを知り、実際に伝送線路シミュレータSigXで解析してみました。操作は簡単で回路設計者の方々も基板レイアウトツールを使用できるようになれば、伝送線路解析も実現可能だと思いました。
今後は当社で扱っている、ノイズを考慮した解析ツール(DEMITASNXPIStream)もあるので、ノイズを考慮した伝送線路解析にもチャレンジしていきたいと思います。

サイバネットシステムでは伝送線路の解析に関する下記の製品を取り扱っています。

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