【第1回】メルマガ11月号 今月の検索Hit Wordインピーダンス

僕がインピーダンスという言葉を知ったのは、学生時代に電気回路を学び始めたころでした。
電気回路では、インダクタンス、キャパシタンス、アドミッタンスの様に“タンス”が多く、回路設計者は洋服ダンスのように、知識の引き出しを多く持っていなければならないと教えられたことを思い出します。
交流電源にR-L-C直列回路が接続された回路において、インピーダンスを求めると単位がオーム「Ω」であることから、インピーダンスが抵抗値であることが分かります。また、ただの抵抗値ではなく周波数に依存していることが重要な意味をもつのです。
たとえば音という周波数を扱うオーディオ機器において、出力インピーダンス特性と入力インピーダンス特性が異なった回路を接続したら、音の特性、つまり極端な言い方をすれば、音の聞こえ方が異なってしまうのです。最近では回路の高速化(高周波数化)やEMCノイズ(余分な周波数成分の集まり)が注目されているので、回路インピーダンスを評価・対策することがますます重要になってきています。
ここからはもう少し専門的な話をします。
インピーダンスは、電子回路、電子部品の特性評価、および電子部品の材料評価に使用する重要なパラメータです。インピーダンスはZ=R+jX[Ω]と表現され、回路(部品)に印加された電源において、周波数における交流電流の流れを妨げる量として定義されています。つまり、周波数に依存せずに存在する抵抗Rと周波数と位相角からなる、リアクタンスXからなっているのです。
インピーダンスを測定するには、インピーダンスアナライザという測定器を用いれば回路や電子部品の特性を知ることができます。つまり、電子回路、部品の周波数特性を知るにはインピーダンス特性は欠かせないものになっています。単に電子部品だけではなく、近年の回路の高速化やノイズの影響を検証するために、ケーブルやプリント基板の伝送路においても、等価回路の抽出や様々な解析手法が用いられており、インピーダンス特性の検証が行われています。このような場面においてシミュレータが有効に活用されています。
サイバネットシステムではインピーダンスに関する製品を下記の通り扱っています。
- PSpice
インピーダンスの等価回路を作成し、ケーブルのモデルやデバイスモデルの周波数特性を確認できます。
- Signal Explore
伝送線路のRLGC値のトポロジーを作成しアイパターンの評価が可能です。
基板の層間、配線インピーダンスを基板レイアウトから自動抽出し、信号のアイパターンの検証ができます。
- DEMITASNX
基板の部品レイアウトから電源-GNDプレーン間のインピーダンスマトリックスを自動抽出し、電源層の共振解析を行い、共振の大きさ・電圧バウンス分布を基板上にグラデーション表示します。不要電磁放射の影響によるEMIのノイズレベルを評価・対策できます。
- PIStream
基板のレイアウト上のIC近傍の電源周りの特性インピーダンスを抽出し周波数解析できます。
電源系雑音の問題を、ICの電源周辺のインプットインピーダンス、トランスファーインピーダンスを表現し、電源変動におけるICの誤動作を確認・対策できます。