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【第5回】メルマガ3月号 テクニカルコーナーフロアプランニング について

プリント基板設計におけるフロアプランニング

みなみちゃんのように引越ししたけど上手く荷物が入らなかったとか生活に不便を感じないように、家具の配置や、ドアの幅は荷物の運び込みに問題ない大きさか?周囲の路地は車が止められるか?など事前に検討することが重要です。
プリント基板のフロアプランニングも同様に「事前」に色々な検討を行い実装されるべき部品の配置を検討し、決定する行為を言います。従来回路エンジニアはレイアウトエンジニアに依頼するプリント基板はどのような環境でどんな筐体に入り、どの信号線はどのような性質があり、結果どのように配線したいかなどを詳細に知らせる必要がありました。この条件を元にレイアウトエンジニアは基板製造仕様、組立て仕様、テスト条件などを加味して配置、配線を行なってきました。そしてこのコミュニケーションに問題があったとしてもプリント基板上でパターンカットやジャンパー配線などの事後の処理が可能でした。しかし、プリント基板の小型化や高密度化が進むにつれデバイスの小型化も顕著になったところに、デバイスの動作仕様の保証が厳しくなるという事態が訪れ、基板が出来てからの事後処理では対応しきれなくなりました。つまり元々は製造後のリペアが利かないLSI設計の世界で行なわれており、10数年前からプリント基板設計の世界でも提唱されていた「フロアプランニング」がリアリティを感じられる時代になってきたと言えます。

いつ誰がフロアプランニング?

プリント基板設計におけるフロアプランニングを出来る可能性があるのは「回路設計エンジニア」と「レイアウトエンジニア(=基板設計者)」の2者が大きな候補となります。どちらがフロアプランニングを行うのが合理的か簡単な例で検証してみます。課題は以下の回路を200mm×100mmの基板に実装するというものです。

回路設計者はレイアウトエンジニアに基板の設計仕様として引き渡すためにICの仕様書を読み、基板の層構成などを見て仕様書を作成してレイアウトエンジニアに指示を出します。
設計仕様
・信号線"IN"は20mm以内で配線のこと
・信号線"OUT"は20mm以内で配線のこと
分かりやすいようにシンプルなものとしましたが実際には特性インピダンスを考慮した線幅などの指示も書かれるはずです。
レイアウトエンジニアはこの仕様を守りながら部品配置をしてみますが・・・

この時点で仕様書通りには配線出来ないことが分かりました。ここで回路設計者に「配置校正」という形で戻されます。ここで回路設計者は初めて自分の決定したルールが基板では実現が出来ないことを知り、対策を考え始めます。P1〜IC間、またはIC〜J1間にバッファを追加する、基板の素材の誘電率を変えてみる、基板のサイズを変えてみるなど対策の選択肢は多岐に渡ります。

実際の基板設計はこの様に単純ではなく様々の配置や配線があり色々な条件が絡んでおり検討もより複雑なものとなります。ですから回路設計者がPCB設計ツールとSIツールを包括したフロアプランニング使って配置、配線のルールを決めることが手戻りの少ない環境を実現すると言えます。 回路設計者がフロアプランニングツールを使用して配置を検討するメリットは

  1. 高さ制限や実装仕様などの物理的ルールはDRCとして予め入力しておけるので回路設計者が仕様書を読んで理解しなくても配置検討ができる(=ドローウィングツールでは不可)
  2. 実際配置された状態でのSI解析が行えるためダンピングや終端の乗数まで決定した上で配線に入れる(=調整時間の短縮)
  3. 基板設計部門での大きな工数短縮が図れるためアウトソースの金額を圧縮できる
  4. ルールはCAD上で引き渡されるので設計仕様書の作成が軽減化される
などのメリットがあります。
これらのメリットを考えると回路設計段階でレイアウトも含んだ回路の最適化を行なうことが開発全体から見ても有効だと言えます。

フロアプランニングとコストパフォーマンス

早くからフロアプランニングの有効性は認識されていたものの、普及を遅らせていた原因というのは、基板での後対策が可能であった点ともう一つそのツールの価格です。
いくら素晴らしい考え方でも今まではフロアプランニングのツールに数百万、時には数千万を要することがありました。このことがプリント基板設計におけるフロアプランニングの使用を阻害してきたと言っても過言ではないでしょう。
サイバネットシステムではこれらのことを考え、これから必需品となるフロアプランニングツールとして回路設計ツール(OrCAD Capture)、基板設計ツール(OrCAD PCB Editor)、SIツール(OrCAD Signal Explorer)を包括した、大変廉価な商品として OrCAD SIフロアプランパッケージ を販売しており、わずかな投資で回路設計者がフロアプランニングを行い、開発行程全体の短縮を実現する設計フローを提案しています。

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