リリース情報バージョン11.2

CODE V最新バージョンCODE V 11.2がリリースされました。

リリース日

2018年9月

主な新機能と特徴

SpecBuilder/SpecEvaluatorの機能強化

SpecBuilderおよびSpecEvaluatorは、設計中の光学系が仕様を満たしているか、あるいは、目標とする光学性能に対してどの程度の性能を得ているかを、簡単かつ迅速に評価できる機能です。この機能を利用することで、設計者が行う要求仕様の管理/評価プロセスを大幅に軽減することができます。
 CODE V 11.2では、シノプシス社の光学専門家の意見を元に、SpecBuilder/SpecEvaluatorで評価可能な仕様として、新たに「ディテクタエネルギー」や「エンサークルドエネルギーの直径」などが追加されました。

追加された仕様項目
  • ディテクタエネルギー:指定した形状(円、楕円、矩形)およびサイズ内に含まれるエネルギー割合
  • エンサークルドエネルギー直径(PSFから計算) :指定したエネルギー割合を含む円の直径
  • ストレール比(PSFから計算)

さらにユーザーインターフェースの改良によってズームポジション、画角、デフォーカスに対する一連の仕様を容易に入力できるようになり、多数の画角やズームが存在する場合の設定が効率的に行えるようになりました。


SpecBuiderに新しく追加された「ディテクタエネルギー」の仕様

最適化の制約条件の改良

CODE Vの自動設計機能は業界で最も進んだ光学設計最適化能力を持っていますが、本バージョンでさらに強化されました。製造とパッケージに関する既存の6つのコンストレインツ(制約条件)が改良され、レンズのアパチャー(光学的な使用領域)外側のどの位置でエッジを定義するか指定できるようになりました。物理的なエッジを定義する精度が大幅に向上し、レンズの製造性をさらにコントロールできます。これは、コンパクトな対物レンズの設計など、体積を最小限に抑える必要があるすべてのアプリケーションに最適です。
さらに、コンストレインツ入力のためのインターフェースがツリー構造となり、視覚的に把握して選択しやすくなりました。

改良されたコンストレインツ
  • 中心面間隔(CT)
  • エッジ間隔(ET)
  • アスペクト比 - 中心厚/直径(ATC)
  • アスペクト比 - エッジ厚/直径 (ATE)
  • 最大有効半径(SD)
  • 像のクリアランス(IMC)

最適化制約条件の新しい入力インターフェースおよび追加されたコンストレインツ

2D-Qタイプ自由曲面

新たな自由曲面として2D-Qタイプ自由曲面が利用可能になりました。QED Technologies社のG. W. Forbes氏が提案したこの面形状は、ベストフィットコーニック面をベースとしてQタイプ多項式で構成されています。既存のXY多項式面、ゼルニケ多項式面などに加え、新たな自由曲面タイプとしてご活用頂けます。この2D-Qタイプ自由曲面は、AR/VRのためのHMDデバイスに要求される軽量かつコンパクトな光学系設計の強力な武器となります。
この面タイプを使用するために、ユーザー定義面タイプ1(UD1)として、cv_ud1_qfreeform.dll というファイルがCODE V 11.2に同梱されています。


2D-Q自由曲面を使用した設計例

コーティングファイルの暗号化

コーティング定義を暗号化してファイル保存できるようになりました。作成した暗号化ファイルは、そのままコーティングファイルとして利用可能です。多層膜の詳細な構成を非公開としたままコーティングファイルの受け渡しや配布が行えます。特に偏光が重要となるような厳密な光学解析が必要な場合に、コーティングのベンダーから暗号化したコーティングファイルを提供してもらい、解析で利用することができます。

アパチャー表示機能

面上に設定したアパチャーを可視化する機能が追加されました。この機能により、アパチャーのタイプ別に、個別または合成したアパチャーの形状表示を行い、複雑な形状を視覚的に確認できます。ビームシンセシス伝播解析実行時に計算時間を最小化するアパチャー選択などにも役立ちます。


アパチャー可視化機能

Asphere Writerユーティリティ

非球面の形状データを出力するためのAsphere WriterユーティリティがCODE Vの標準機能として追加されました。CODE Vによる設計データを元に非球面の製造を行う際、CODE Vの形状データを製造関連装置で読める形式に変換する必要がありますが、これを手作業で行うことは人為的エラーを招き、製造の遅れやコストの上昇につながります。Asphere Writerユーティリティは、非球面形状データをQED Technologies社の研削、研磨装置やZygo社の測定器から直接読める形式のファイルとして出力することができます。


非球面データを出力するためのAsphere Writerユーティリティ

エンクローズドエネルギー解析

エンクローズドエネルギー解析のための関数 ENCLOSED_ENERGY() および ENERGY_ON_DETECTOR() が新たに追加されました。ENCLOSED_ENERGY() は、指定したエネルギー割合を含むような円、楕円または矩形領域のサイズを算出することができます。逆に、ENERGY_ON_DETECTOR() は、指定したサイズの円、楕円、矩形領域に含まれるエネルギー割合を計算します。こうした計算値は、解析、最適化、あるいは公差解析の性能指標として利用できます。ピクセル化したセンサーを使用した高性能な光学システムの設計に特に有用です。

その他

  • 光学系の反転を行うためのマクロ REVERSE_SYSTEM.SEQ が追加されました。このマクロは、これまで同じ目的で使用されていたマクロ ILREVERS.SEQ の機能強化版として作成されたもので、複雑な光学系の反転処理がより安定かつ正確に行えるようになります。
  • プラスチック材質をプライベートガラス(ユーザー定義材質)として読み込みためのマクロ PLASTICPRV.SEQ に、三菱ガス化学社製樹脂材料が追加されました。
  • CDGM、HOYA、オハラ、光ガラス各社のガラスカタログが最新データを元にアップデートされました。

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