前回、与えられている設計課題に向いていると思われるレンズタイプの検討と、おおよそのMFスコアの推測を行いました。そして、レトロフォーカスタイプのサンプルレンズ(WIDEANG.len)を初期光学系として。。。
ということで、今回は小手調べ設計の段です。
※自動的にレンズの前後面の形状が変更されていることがわかります。
見事に集光していません。
ひとまず焦点距離だけを制約して、最適化を実行しました。このレンズ枚数では当然ながら性能を満足するわけもなく、ひとまずレンズ枚数を増やさなくてはなりません。この場合、レンズ挿入という手もありますが、曲率半径を揃えていかなくてはならないということもありますので、分割するのが手っ取り早いです方法です。
結像性能については後回しにして、まずは面の形状を揃えることを考えます。1枚の両凸レンズ(曲率半径r、芯厚t)は、以下のように2枚の両凸レンズに分割することができます(圧肉なので、若干パワーは変わってしまいます)。

更に、3枚の両凸レンズへも分割することを考えると、以下のようになります。

n枚の両凸レンズに分割するには、各面の曲率半径がn倍、薄さ1/n倍のレンズを並べればよいということになります。
また、1枚の両凸レンズは、同曲率の平凸レンズ2枚に分割することができます。

この場合、分割したレンズの向きに気をつけなくてはなりません。具体的には↓
以下のレンズは、いずれもパワー的には同じでも、発生する収差量にそれぞれ違いがあります。分割するときには、どの配置が最も収差発生が小さくなるのかを考慮する必要があります。

どの構成が最も収差発生が少ないのでしょうか?
大体同じ曲率半径となるように、エレメントを分割して行きます。レンズの芯厚については余り気にせず、最終的にマニュアルまたは、最適化で修正を行います。曲率がキツイ(曲率半径が短い)面を、分割することにより緩い面の方へ揃えていくことになります。
1枚の平凸レンズは、両凸レンズへ置き換えることができます。
レンズ枚数が仕様をオーバーしてしまいましたが、何とか分割だけで曲率をそろえることができました。前側での光線の曲がり具合が若干気になりますが、残存収差を確認してみますと。。。

ディ、ディストーションが。。。
枚数は最適化で何とか減らすとして、まず光路図で気になる点ですが、一番目のレンズの偏角がかなり大きくなっています。一般的に偏角の大きな面では、大きな収差が発生することが知られていますので、偏角を抑える必要があります。これは、単純に曲率を緩めればよいだけの話です。球面収差をはじめとして各収差をなるべく発生させないように徐々に光線を曲げてあげるために、なるべく。全長制約も課せられてないわけですし、
また、最大画角(半画角)が36度と広いため、このままだとディストーションの補正は不可能と判断しました。このため、最大画角を約半分の20度に決め打ちして、最後余裕があったら、画角を広げるという作戦に切り替えることにしました。
当面の評価関数の目標を30(EPD)×20(最大画角)=600として、このスコアをクリアする解を探します。
ということで、この辺でお時間となりましたので次回に続きます。