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公差解析入門

「3次元」公差解析の重要性

これまでの公差解析と問題点

手計算やExcelシートで公差解析を行う場合、設計終了後に2次元図を元に関連寸法を抜き出して公差の積み上げを行うことが多く、下図のように解析寸法(隙間量)に近い方向の寸法が抽出されることがほとんどです。その結果、以下のような状況が多々発生し、残念ながら「何となくの判断」でしか公差解析の活用が行われていませんでした。

  • 計算した結果と現実が合わない
  • 計算した結果のばらつきが大きすぎる/小さすぎる

その原因のひとつが、「1次元で公差解析を考えている」ことにあります。

『3次元』で公差解析を考える

本来、構造物は3次元空間内で部品が配置されており、「3次元で公差解析を考える」という事が重要です。複雑な構造が3次元CADで設計できるようになった現代ではなおさらです。 異なるベクトルの寸法ばらつきが下の図のように3次元空間内で部品の姿勢変化を生み、組立てばらつきに影響していることを考慮して、公差解析を行う必要があります。
3次元公差解析を手計算で行うためには、本来の公差値をそのまま積み上げるのではなく、関連する部品寸法の繋がりをもとに、解析寸法への影響度を「係数 (てこ比、レバー比)」としてかける作業が必要です。この作業を行わずに単純に積み上げてしまうと、計算した結果に誤差が生じます。

また、上のアニメーションのように、部品寸法のばらつきによる接触位置の変化や、がた・重力の影響などを含めて正確な手計算を行うことは、ほぼ不可能です。

このように、複雑な構造において2次元図面や3次元CADデータを前に、手計算で3次元公差解析を行おうとした場合、以下の点で現実的には困難です。

 

  • 3次元空間内での寸法の繋がりを人の手で考えるため、手間がかかる
  • 姿勢の変化やがたの影響を正しく考慮できない
  • 公差解析を行う人によって結果が変わる

『3次元』公差解析ツール(CETOL 6σ)が問題を解決

世の中には3次元CADの中で使える「1次元(ないしは2次元)公差解析ツール」も存在します。シンプルな構造で公差解析を行う場合は、このようなツールでもある程度の精度を確保することは可能です。

但し、3次元での姿勢の変化が品質に影響する構造でこの公差解析を行った場合、その精度は当然落ちてしまい、公差解析を行う意味が失われてしまいます。もしくは、無理矢理次元を落として計算ができるよう、CADモデルの形状修正を行う方法もあるかもしれませんが、本来の設計意図を反映した形状ではなくなるため、設計データを適正に活用しているとは言えなくなってしまいます。

公差解析を行う際は、1次元か3次元か、その対象製品の性質によってツールを上手に使い分ける事も、効率的に精度高く公差解析を行う上では重要です。

世の中には3次元CADの中で使える「1次元(ないしは2次元)公差解析ツール」も存在します。シンプルな構造で公差解析を行う場合は、このようなツールでもある程度の精度を確保することは可能です。

但し、3次元での姿勢の変化が品質に影響する構造でこの公差解析を行った場合、その精度は当然落ちてしまい、公差解析を行う意味が失われてしまいます。もしくは、無理矢理次元を落として計算ができるよう、CADモデルの形状修正を行う方法もあるかもしれませんが、本来の設計意図を反映した形状ではなくなるため、設計データを適正に活用しているとは言えなくなってしまいます。

公差解析を行う際は、1次元か3次元か、その対象製品の性質によってツールを上手に使い分ける事も、効率的に精度高く公差解析を行う上では重要です。

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