従来の公差計算と問題点

従来の公差計算の方法

「公差の積み上げ計算」の方法として、主に手計算やExcelシートの積み上げで使用されているのが以下の二つです。(二つの手法の詳細に関しては、「4.公差計算手法」を御参照ください。)

ワーストケース

公差の上下限値を積み上げて組立品質を求める

二乗和平方根

「分散の加法性」を使用し、発生する確率の低い最悪値同士の組合せは考慮から外して組立品質を求める方法。
公差を二乗して積み上げ、平方根で返した値を組立品質の予測値とする。

計算方法の理解や運用によって、以下の様な問題が発生しています。

従来の公差計算の問題点

(1)用途が品質確認に限定され、改善は経験に基づく

従来は、上記の方法(もしくは独自の方法)で組立品質を予測し、結果の善し悪しの判断が行われ、以下のように必要に応じて公差の調整を行っていました。

公差を厳しくしたり、緩めたりする際に、
『公差を厳しく(緩く)する理由』
『厳しく(緩く)した公差値の根拠』
といった理論的な理由は乏しく、経験則や公差値の大小に基づくものがほとんどでした。
そのため、過剰に厳しい公差値の設定や、重要な寸法なのに一般公差が適用されている様なケースも多々見られます。

また、品質が規格内の場合には公差緩和の検討余地があります。
しかし、公差を厳しくすることと同様に緩めるにも根拠が少ない場合がほとんどです。

(2)計算精度は個人に依存

公差の積み上げ方法を社内教育の中で体系的に教えている企業はごくわずかです。ほとんどの場合、独学やOJTなどで先輩から教えてもらった、など我流の方法で行われています。そのため、計算される結果も人それぞれ異なり、何が正しいのかが判断できない状態となります。 詳しくはこちら

また、計算の精度を左右する一因として、公差解析を行う「次元」の違いもあります。
「3次元」公差解析の重要性で詳しく説明しています。

このように、様々な背景で公差の積み上げ計算は運用されてきたため、明確な判断基準が存在しません。その結果、現在は公差の積み上げ計算が多くの業務において「確認程度」の位置付けとなってしまっています。

(3)最終的には実物で確認?

公差の積み上げ計算を行っても、(1)や(2)の問題を持った状態での運用のため、実際に試作や量産に移ると想定外の問題が発生します。
結果として、実物を通じて“問題発生⇒設計へフィードバック”といった手戻りを繰返して品質を固めていく手法が主流となり、時間とコストに負担がかかっています。

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