ANSYS 14.0リリース情報ANSYS Workbench Mechanical 14.0 新機能

ANSYS Workbenchは様々な分野の解析ソルバーを統合した操作環境へと成長し、操作性に優れたマルチフィジックスCAEツールとして活用されています。そして、より実現象に近い高度なシミュレーションを実現するために、各解析分野においても機能拡張が進められています。
ここでは、ANSYS Workbench Mechanical 14.0の新機能について紹介します。

線形振動解析

減衰モーダル解析(複素固有値解析)

モード抽出法として、減衰法およびQR減衰法がサポートされ、減衰を考慮したモーダル解析が可能となりました。減衰を考慮した共振周波数、モード減衰比などが出力されます。

ローターダイナミクス

モーダル解析の条件として、回転速度とコリオリ効果を考慮することができるようになりました。これにより、回転速度ごとの共振周波数やモード形状、キャンベル線図などが出力され、危険回転速度の予測や不安定振動モードの判定が可能となりました。


図1 ローターダイナミクス解析の設定と結果出力

モード重ね合わせ法

これまで、フル法のみ対応となっていた時刻歴応答解析が、モード重ね合わせ法でも使用できるようになりました。
これにより、線形の時刻歴応答解析は短時間で実施できるようになりました。また、モード重ね合わせ法周波数応答解析では、事前に実施した静的構造解析の結果を引き続いた初期応力解析にも対応しました。

要素テクノロジー

積層シェル要素

サーフェスボディに対して、積層シェル要素を定義することができるようになりました。各層の厚さや材料特性、異方性材料の角度といった必要な情報は、ワークシートを使用して簡単に設定することができます。また、任意の層を指定してコンター図などの結果を評価することも可能です。


図2 積層シェル要素の定義と結果表示

パイプ要素/エルボー要素

ラインボディに対してパイプ要素を定義することができるようになりました。曲率を持つパイプに対しては『パイプの理想化』というメニューが用意されており、エルボー要素として定義することも可能です。これらの要素に対する境界条件として、『パイプの圧力』や『パイプ温度』がサポートされ、これまでのビーム要素では表現が困難であった解析にも対応できるようになりました。

材料モデル

粘弾性材料

静的構造解析および時刻歴応答解析において、粘弾性材料が使用できるようになりました。エンジニアリングデータにて、PRONY級数形式の相対係数と緩和時間、シフト関数を定義することができます。

接触テクノロジー

接触ペアの拡張

ビーム要素(点および辺)とソリッド要素またはシェル要素(辺および面)との接触定義が可能になりました。これらの接触ペアは、すべての接触挙動と接触アルゴリズムをサポートしています。また、これまで一部の接触ペアでは非対応であった法線ラグランジュ法は、すべての接触ペアに対して使用できるようになりました。

接触パラメータのオプション設定

対称接触/非対称接触の切り替え、定式化の選択、接触剛性の更新については、定義されている接触状態に応じて適切な設定に自動コントロールされるようになりました。(これまで通り、手動での指定も可能です。)また、接触検出方法の変更ができるようになり、これまでの積分点による接触判定の他、節点ベースでの判定も可能となりました。

ユーザビリティの強化

選択機能の拡張

これまでWorkbench Mechanicalでは、境界条件の定義はジオメトリデータ(CADデータのボディや面など)に対してのみ適用されていましたが、14.0ではメッシュ生成後の節点に対しての条件定義が可能となりました。節点の選択は、GUI上でのマウスによる方法や、面やラインに付随している節点の抽出、座標値による選択操作も可能です。境界条件だけでなく、結果処理にも活用することができ、局所的なコンター図や結果リストの作成などにも活用できます。


図3 節点選択操作

データマッピング

複数の外部データ(テキスト形式)を使用したデータマッピングが可能となり、より複雑な境界条件の設定にも柔軟に対応できるようになりました。また、シェル要素の板厚定義にも対応したため、より簡単に複雑な厚さ情報を持つシェルモデルの設定が可能です。
データマッピングの補間手法も拡張され、より精度良く外部データをマッピングすることができるようになりました。

まとめ

以上のように、ANSYS Workbench Mechanical 14.0では、多くの解析機能が新たに搭載されただけでなく、操作性についても強化されています。また、ここで紹介したメカニカル分野だけでなく、あらゆる解析分野での機能が強化されており、操作性に優れた高度なマルチフィィックスCAEツールとして成長を続けています。今後もANSYS Workbenchのさらなる発展にご期待ください。

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