Planets] 3.1 リリース情報

2013年11月、Planets] 3.1がリリースされました。
今回の主なバージョンアップ内容は以下の通りです。

Planets] 3.1 主なバージョンアップ内容

新機能追加

ワイヤースイープ解析

ワイヤースイープ解析
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ICチップの樹脂封止工程におけるボンディングワイヤーの変形予測が可能になりました。樹脂の粘度、流速、そして流体中の物体の大きさに比例する粘性抵抗が新たに算出されるようになり、その抵抗力を構造解析で物体上に負荷することが可能です。
エレクトロニクス実装の信頼性評価をはじめ、流路内構造物が細長い物体※1の変形予測全般にご活用いただけます。

流体−構造温度連成解析

流体−構造温度連成解析
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樹脂領域と構造領域の温度に関する直接連成解析が可能になりました。これにより、インサート物が樹脂によって加熱される様子などを充填過程とともに経時的に評価できます。また、樹脂が金型によって冷やされる(暖められる)という基本的な現象についても、金型の熱容量の影響が加味されることで、より現実に近い解が得られるようになります。

金型ごとの個別境界条件定義

金型ごとに、異なる温度と界面伝熱係数を、時間の関数として定義できるようになりました。
実成形でキャビ側・コア側の温度が異なるケースや、温度が時間制御されているようなケースを、容易に設定できるようになりました。

「常温」のユーザー定義

そり(収縮)量の算出に影響する「常温」の値を、ユーザーが設定可能になりました(従来は20℃固定)。そり(収縮)は樹脂の硬化収縮と冷却による温度収縮により定まりますが、その起点と終点のうち、終点を任意に設定できることを意味します。

ソルバー性能が向上しました

並列計算(SMP)に対応

従来、一部のオプション機能でのみ有効※3であった並列化処理が、Planets]の基本機能および全てのオプション機能において有効になりました。これにより、お手持ちの計算機の能力を存分に生かした計算が可能となり、解析時間の短縮が可能となります。
並列計算のための特別なライセンスは不要であり※4、コア数にも制限はありません ※5。

保圧冷却段階の計算スピードの向上

保圧冷却段階のタイムステップの見直しを行い、精度は損なわずに計算サイクル数を削減することに成功にしました。

タイムステップのユーザー定義

タイムステップを全ての解析時間にわたってユーザーが任意に定義することが可能になりました。

 

そり解析(構造連携)機能が強化されました

従来のそり解析は、樹脂流動解析で算出された体積収縮率と同等のひずみを生じさせる温度差へと変換され、その温度差を構造解析で負荷することで表現されていました。バージョン3.1ではこの温度差への変換過程を不要とし、体積収縮率に相当するひずみを直接構造解析で与える手法へと改良されました ※6。

流動の温度分布とは独立の熱荷重を定義可能

樹脂DBを用いずにエンジニアリングデータの物性で解析可能

上述の改良により、構造解析において体積収縮率の転送のために用いられていた熱荷重ラベルがフリーとなったため、流動の温度分布とは独立の熱荷重を与えられるようになりました。
また、そり解析時に樹脂DBを「利用しない」という機能が追加され、エンジニアリングデータの物性でそり解析を行うことが可能になりました。
これら新機能の組み合わせにより、そり解析時に温度依存性の機械特性を有する材質を用いるといった、複雑なそり解析挙動を検討することが可能になりました。

流動とそり解析が異メッシュの際に繊維配向異方性物性の転送が可能

繊維配向異方性物性と初期ひずみの同時定義が可能

繊維配向解析の結果を用いたそり解析に関し、上記2つの機能強化がなされました。

樹脂DBの線膨張係数の温度依存性の考慮

樹脂DBの線膨張係数が温度依存性を有していた場合、そり解析時にその効果が考慮されるようになりました※7。

熱硬化反応解析機能が強化されました

初期硬化率の指定

従来、ゼロで固定されていた計算開始時点での初期硬化率に、任意の値を指定することが可能になりました。この機能を利用することにより、注入あるいは初期配置される樹脂に対し、必要に応じ硬化状態が進んだところから解析が開始できるようになるため、より汎用性が高まりました。

硬化率依存性を持った比熱、熱伝導率の指定

樹脂DBに「未硬化状態」と「完全硬化状態」それぞれの比熱と熱伝導率を定める欄が新たに追加され、計算中に硬化率依存性が考慮されるようになりました。ゲル化点近傍で樹脂の熱物性は大きく変化することがあるため、熱物性の硬化率依存性を考慮した方が現実により近い解析が可能になります。その場合、樹脂が未硬化状態のとき、及び完全硬化状態のときの比熱、熱伝導率の温度依存性をそれぞれ独立に測定し入力データとする必要があります。これらの線形補完式をソルバー内部で立てることにより、任意の温度で硬化率依存性を考慮した比熱と熱伝導率を予測することが可能になりました。

流動解析時、及び硬化収縮解析時のPVTデータ近似式の拡張

これまで1区分Sepncer-Gilmore式のみが利用可能でしたが、今回熱可塑性樹脂と同じ仕様で2区分までのSpencer-Gilmore式、Tait式、2次近似式の何れも利用できるようになりました。これにより測定データフィッティングへの柔軟性が増強されました。ただし、これまで通り樹脂が未硬化状態のとき、及び完全硬化状態のときのPVTデータをそれぞれ独立に測定し入力データとする必要があります。これらの線形補完式をソルバー内部で立てることにより、硬化率依存性を考慮したPVT予測が可能です。

※1 流れに対する投影面積が小さく、かつ流れ方向の圧力勾配も小さな物体。
※2 樹脂、構造、それぞれをマルチボディ機能で1パーツにまとめておく必要があります。
※3 繊維配向解析。
※4 ANSYSソルバーを利用する「そり解析」や「金型冷却解析」などでは、別途ANSYS用の並列計算ライセンスが必要です。
※5 コア数と並列化の効果(スケーラビリティ)は比例するものではありません。
※6 専用にカスタマイズされたANSYSソルバーを利用します。
※7 これにより同条件のそり解析であっても従来バージョンとそり解析結果が異なることがありますが、バージョン3.1の結果の方がより現実に近い値と解釈いただけます。

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