Multiscale.Simによる非線形マルチスケール解析 (3)〜 材料設計も含めた試作レスを目指して 〜

目次

数値材料試験と材料物性値同定

近年では燃費向上が要求される輸送機をはじめとした多くの分野で、比剛性の高い複合材料への期待が高まっております。これは「必要な方向にだけ必要な剛性を持たせる」ことで、構造物の軽量化を図ることが一つの目的です。すなわち、複数の材料をブレンドさせることで、所望の異方性材料特性を作る「材料設計」が必要になりますが、様々な複合構造でケーススタディを実材料試験ベースで行うことはコスト上の問題が発生します。


図1 数値材料試験の入出力情報

Multiscale.Simの数値材料試験機能は、不均質な試験片モデルに対して、ANSYS内でシミュレーションに基づく仮想的な材料試験を行うことで、みかけの材料応答を評価するアプローチです(図1参照)。本手法を適用することによるメリットとしては
a. 理想的な応力場を容易に作り出すことが可能
b. 長時間のクリープ特性なども短時間で取得可能
c. 試験片内部のひずみ・応力場が評価可能
d. 特殊なノウハウを必要としない
などがあげられます。純せん断試験のように実機では定義困難な荷重条件や、理想的な静的応力緩和、クリープ試験環境も容易に構築することができます。


図2 弾塑性数値材料試験の実施例

図2は、弾塑性材料からなる金属組織を簡易にモデル化して単軸のサイクリック荷重試験を実施したものです。みかけの材料応答と共に試験片内部の応力・ひずみ場も詳細に評価できることも数値材料試験ならではの特徴です。これら小さなスケールの結果を詳細に評価することで「なぜこのような材料挙動となるのか」、「目的の材料挙動に近づけるためにはどのような複合構造にすればよいのか」といった考察に対する指針を得ることができます。本適用例は、概念モデルを用いた簡易な例ですが、実際の数値材料試験では複合材料の幾何学的な情報と、各構成材料の物性値の精度が、試験の精度を決定づける重要な要素となります。

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