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モーダル解析(もーだるかいせき)

英訳:modal analysis

モーダル解析とは、対象物そのものが振動しやすい周波数とその振動形状を把握する解析です。固有値解析とも呼びます。
モーダル解析では、自由振動の状態(外力= 0 の状態)を周波数軸で解析します。また、物理座標系ではなくモード座標系で解析します。

モーダル解析で出来ることは大きく分けて以下の2つです。

  1. 対象物の固有振動数(共振周波数)と変形形状が把握できる
    外力が持つ振動数と同じ周波数にならないように避けるための対策がたてやすくなります。
  2. 対象物の固有モード(固有振動数における変形形状)が把握できる
    振動形状で変形している箇所を把握し、対策の指針がたてやすくなります。

実際にモーダル解析を実施すると、以下のように固有振動数と固有モードが出力されます。(カッコ内は実験結果)

モデル外観(シェルモデル)1次:547.51Hz(546.25Hz)2次:556.42Hz(585.00Hz)3次:1113.2Hz(1153Hz)4次:1132.1Hz(1164Hz)5次:1657.9Hz(1718Hz)

モーダル解析では外力が働かず、通常は減衰を無視して扱うため、一般化運動方程式の減衰項と外力項がない式で求まります。
これを実固有値解析と呼ぶことがあります。
(減衰を考慮したモーダル解析もあり、複素固有値解析と呼ばれます)


電子機器ピックアップ部の固有値解析

解析の種類

初期応力を考慮したモーダル解析

回転しているタービンブレードのような初期応力状態にある構造の振動数とモード形状を計算します。

大変形解を用いた初期応力モーダル解析

大きく変形する構造物の固有振動数とモード形状を計算します。

周期的対称モデルのモーダル解析

構造が(例えば、ファンホイール又はスパーギアのような)周期的対称で表せる場合に、その構造の1セクター分をモデル化することにより、その振動数とモード形状を計算します。

適用事例

  • パイプラインのモーダル解析
  • ファンのモーダル解析
  • 電気部品のモーダル解析

Ansysにおける取扱い

  • Ansysはモーダル解析(実固有値解析・複素固有値解析)に対応しています。

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