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固有振動数(こゆうしんどうすう)
英訳:eigenfrequency / natural frequency
固有振動数とは、構造物が持つ固有の共振周波数のことです。形状・拘束位置・材料のヤング率や密度によって異なります。
この周波数では、一旦外力が生じると、外部から力を加えなくても自分自身だけで振動し続けます。
固有周波数とその周波数での振動形状を調べる解析がモーダル解析(固有値解析)です。
簡単のため、1自由度、無減衰系のバネマスモデルで固有振動数を考えてみます。
バネ定数をk、質点の質量をm、変位をuとすると、運動方程式は以下のようになります。
周期運動は時間(t)の関数として延々と続くので、uをtの周期関数として表現すると以下のようになります。
(式2)を(式1)に代入すると、以下のようになります。
(式3)には自明な解としてA=0がありますが、これは振動が発生しないことを意味するため、振動現象を考える問題においては無意味です。
非自明な解として、以下の(式4)が成り立つ場合が考えられます。
k,mは定数のため、(式4)が成り立つときには、ωが以下の値を持つ必要があります。このときのωを固有角振動数ω n と呼びます。
また、固有振動数f n は以下のように求められます。
一般的に使用される単位
- Hz(ヘルツ)
Ansysにおける取扱い
- 構造物の固有振動数は、Ansysのモーダル解析(固有値解析)で求められます。
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