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熱流体解析

シミュレーションベースのデジタルツインとモノのインターネットによる製品やプロセスのパフォーマンスの改善

2019年4月

物理的なプロトタイプを作成する前に幅広い設計候補を評価できるシミュレーションは、ほぼすべての物理的製品またはプロセスの設計を改善する目的で長年に渡って使用されてきました。また、操作性向上のために制御アルゴリズムに組み込まれている制御戦略を開発する目的で、さまざまな運用シナリオをモデル化する手段としても、シミュレーションは長く使用されています。モノのインターネット(IoT:InternetofThings)の出現により、製品またはプロセスのシミュレーションモデルをインターネットを介してセンサーと連携してデータを取得したり、アクチュエータと連携して動作を制御したりする革新的な探求の可能性が生まれました。その成果である、物理的製品またはプロセスのいわゆるデジタルツインを使用すれば、製品やプロセスの動作を解析、診断し、パフォーマンスや保守をリアルタイムで最適化できます。シミュレーションとIoTを組み合わせて使用することにより、各企業は現実世界の運用条件における製品のパフォーマンスを解析し、将来的なパフォーマンスを確信を持って予測して製品の動作および生産性を向上し、コストを削減し、計画外のダウンタイムのリスクを低減することができます。

目次

モノのインターネットの出現

開発、試験、製造から運用、保守まで、製品のライフサイクル全体に対する企業のアプローチが、IoTによって変化しています。スマート接続された製品は、クラウドや他のデバイスとの接続を活用して、前例のない機能を提供します。スマート接続された製品が広まれば、ユーザーは刺激的な新機能を獲得し、開発する側の企業は大きな機会を手にすることができます。現時点で、インターネットに接続されているスマートデバイスの数は、世界の人口をすでに超えています。IoTデバイスは、既存のビジネスに巨大な機会を創り出すと同時に、新たな市場や企業を生み出しています。2025年までに考えられる経済的影響は、1年ごとに最大11兆ドルと推定されています。

初期のIoTアプリケーションでは、アセットの状態の特定、アセットのオン、オフのような単純なコマンドの実行といった、比較的単純なアプリケーションが重視されていました。しかし、スマート接続された製品の製造業者およびユーザーは、シミュレーションテクノロジーとの統合によってIoTの能力を向上できることを実証しています。シミュレーションにより、診断やトラブルシューティングをリアルタイムで実施し、故障を予測して保守に最適なタイミングを特定し、パフォーマンスが最適になるように製品を調整し、次世代の設計の改善に役立つ情報を得ることができます。

IoTにおけるシミュレーションの役割

業界リーダーは、シミュレーションを使用して、機械的、エレクトロニクス、組込みソフトウェアのコンポーネントから成る複雑な製品やシステムの完全な仮想プロトタイプを作成し、現実世界の環境に存在するあらゆる物理的現象を組み込みます。たとえば、数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)ソフトウェアは、流体流れをモデル化し予測するために使用します。これは、自動車エンジン内のガスの燃焼からシェールガス組成の気孔を通過する化学溶液の動きまで、多数の製品およびプロセスの効率を最適化する上で重要です。構造解析ソフトウェアは、力、熱、電磁場、摩耗その他の物理的影響に対する製品の反応を予測して、提案されている設計が設計要件を満たすかどうかを判定するために使用します。電磁シミュレーションは、コンピュータチップ、回路基板、携帯電話、自動車の電子部品、通信システム全体などの製品のシグナルインテグリティ、パワーインテグリティおよびサーマルインテグリティを予測し、コストのかかるプロトタイプの作成や試験で時間を無駄にすることなく、設計を短時間で最適化できます。さらに、ソフトウェアエンジニアは、ソフトウェア開発ツールおよび認定コードジェネレーターを活用して、多数の製品の動作を監視および制御する目的で使用されることが多くなっている組込みソフトウェアにおける製品故障を回避するために必要な高レベルの品質を確保します。

マルチフィジックスベースのシミュレーションで製品開発プロセスを推進マルチフィジックスベースのシミュレーションで製品開発プロセスを推進

自動車、発電所、工作機械、印刷機、化学反応器その他の運用を管理する制御アルゴリズムに組み込まれる簡素化された次数低減モデルの設計にも、シミュレーションは使用されます。一例として、電気自動車(EV)およびハイブリッド電気自動車(HEV)のバッテリーを操作するという難題を見てみましょう。…

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