解析事例 熱応力および機械的応力によるPCB故障の防止 Application Brief

熱応力および機械的応力によるPCB故障の防止

公開日:2018年8月

プリント回路板(PCB)への熱荷重および機械荷重による電子システムの故障の可能性は、基板の小型化に付随する電力消費の着実な増加によって徐々に上昇しています。基板全体のジオメトリを含む有限要素モデルの解析は非常に大きな計算能力を必要とするため、これまでPCBの変形を正確に解析することは現実的ではありませんでした。ANSYSの新しいマルチフィジックス解析手法は、基板の各セグメントの材料特性を追跡しながらPCBジオメトリを簡単化することで、この問題を克服しています。技術者はこの新しい解析手法を使用して、通常の設計反復の時間内で、熱機械応力、ランダム振動および機械的衝撃によって生成される変形を正確に予測することが可能です。

目次

課題

自動車、家庭用電気製品、オフロード車、製造装置、大量輸送機関、ヘルスケア製品、および小売業機器など、多種多様な業界で、大量の電子コンテンツによる製品イノベーションが推進されています。こうした電子コンテンツの大部分は、PCBに搭載されています。銅と誘電体間のCTE(coefficient of thermal expansion、熱膨張率)の相違により、製品の製造中および運転中の熱サイクルがPCBの変形を引き起こします。筐体、コンポーネント、およびPCB間のCTEの相違によっても、その他の基板変形が生じる場合があります。ランダム振動および機械的衝撃もまた、その他の変形を生成することがあります。

この変形がPCBと各種コンポーネント間の接触を提供するはんだボールの伸びやねじれを生じさせ、はんだ接合部の疲労やその他の故障原因となります。このような故障は、結果として保証クレームや顧客満足度の低下につながり、また、まれなことですが死亡事故に至ることもあります。一例として、インドネシアの国家運輸安全委員会の報告によると、2014年12月に162名の命が失われたAirAsia機の墜落事故は、PCBの熱サイクルによるはんだ疲労が方向舵の故障を発生させ、それがパイロットの操作ミスと相まって引き起こされたと発表されました。[1]

技術者は長年にわたり点熱源を特定する技術を有しており、ANSYS SIwaveの回路解析を使用してPCBのトレースおよびビア内のジュール発熱を計算してきました。これらの熱源をANSYS Icepakのシステムレベルの伝熱解析の入力として使用することで、基板上および基板周辺の温度場を決定してきました。しかし、各トレースおよびビアを考慮した基板の詳細なモデルはたいてい大型で複雑なものになるため、妥当な作業時間内で解析することができません。そのため、これまで技術者は製造サイクルおよび運転サイクル下にある基板の変形を予測することができませんでした。

ANSYS SIWaveによるDC解析の結果
ANSYS SIWaveによるDC解析の結果


ANSYS Icepakによる40.0℃のジュール発熱を考慮しない最高温度予測
ANSYS Icepakによる40.0℃のジュール発熱を考慮しない最高温度予測

ソリューション

ANSYSは、通常の設計反復の時間内で熱荷重および機械荷重の下での基板性能を正確に解析する、新しいマルチフィジックス解析手法を開発しました。この新しい解析手法では、最初にSIwaveを使用して基板上のDC電流と電圧を計算し、続いてこれをジュール発熱の計算に使用します。消費電力は変わらない(または増加する)一方で基板の小型化が進んでいるため、ジュール発熱は熱荷重源としてますます重要になっています。

次に、ANSYS17.0で追加された自動化された双方向ワークフローを使用して、基板のトレースマップと電流密度の予測をIcepakにエクスポートします。IcepakはPCBの直交異方性熱伝導率を計算し、…

参考情報
[1] Buetow, M. Solder Fatigue Led to AirAsia Crash, Investigators Say, Circuits Assembly Magazine, Desember 1, 2015.

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