解析事例 マルチフィジックス解析:電磁アクチュエータ(ソレノイド)

マルチフィジックス解析:電磁アクチュエータ(ソレノイド)

公開日:2018年2月

電磁アクチュエータまたはソレノイドは、電磁場を発生させてアーマチュアを所定の力で所定の距離だけ動かすことによって動作する装置です。燃料噴射装置や配電システム (遮断器、ブレーカーなど)、各種の自動車システム、油圧システム、工業システムなどの分野で利用されています。

目次
  1. 使用製品
  2. キーワード
  3. 構造概要
  4. 静的解析と過渡解析
  5. システム解析
  6. 熱応力解析
  7. まとめ

使用製品

Maxwell®、Simplorer®、Workbench™、Mechanical™、CFD™

キーワード

アクチュエータ、ソレノイド、磁気拡散、システム解析、連成解析、等価回路抽出、熱モデリング

構造概要

図1.フレーム、極片、コイル、アーマチュアが定義された典型的な電磁アクチュエータの3次元軸対称ビュー
図1.フレーム、極片、コイル、アーマチュアが定義された典型的な電磁アクチュエータの3次元軸対称ビュー

典型的な電磁アクチュエータは、金属のポールピースと可動アーマチュアを中心に配置したマルチターンコイルで構成されます。図1に示すように、フレームなどのその他の金属部品が磁束のリターンパスとなります。アクチュエータを電圧源に接続すると、コイルに電流が流れ、装置内に磁束が生じ、これによってアーマチュアを開位置から閉位置に移動する磁気力が発生します。またアクチュエータには、磁束の発生を補助したり、コイルの電圧を切った状態でもアーマチュアを所定の位置に保持したりするための永久磁石が含まれる場合もあります。ボイスコイルアクチュエータは、永久磁石を使用してコイルの電流に作用する磁束を生じさせ、コイル上にローレンツ力を発生させます。これらの装置は本質的に2次元または3次元で、回転運動や非円筒回転(揺動運動)を伴う場合があります。

アーマチュア、極片、およびフレームの金属材料は非線形BH曲線でモデリングされ、装置内で性能を制限する可能性のある重要な磁気飽和を特定できます。アーマチュアおよび接合する極片の大きさおよび形状の設計は、アーマチュア上の磁気力プロファイルや閉時間に影響します。また、コイルの設計は電気抵抗を決定し、コイルのインダクタンスに大きな影響を及ぼします。

これは、インダクタンスが非線形の金属オブジェクトと空気間隙の磁気抵抗の合計によって乗算したコイル巻数の2乗に等しくなるためです。インダクタンス(L/R)によって除算された抵抗の比率は電気的時定数で、コイル内の電流の上昇速度を決定します。この電気的時定数による電流の上昇時間を考慮する場合、磁気拡散時間(渦電流によって装置内に磁束が発生する速さ)もアクチュエータの性能に影響を及ぼすことがあります。図2電圧電源の過渡解析で求められた磁束密度を示しています。

図2.過渡解析0.001秒経過時の磁束密度。拡大図は過電流による磁気拡散の詳細を示したもの。時間の経過とともに電場が装置の厚み全体に拡散し、磁気力が増大してばね力と荷重を上回るとアーマチュアが閉じる
図2.過渡解析0.001秒経過時の磁束密度。拡大図は過電流による磁気拡散の詳細を示したもの。時間の経過とともに電場が装置の厚み全体に拡散し、磁気力が増大してばね力と荷重を上回るとアーマチュアが閉じる

電流の上昇速度が速い場合、磁束は装置全体に拡散する前にアクチュエータの内側表面付近に集中するため、アーマチュア上の磁気力の発生に時間がかかります。同様に、電圧を切ると磁気流出が発生して磁束が装置外に散逸するため、アーマチュアが開くまでに時間がかかる場合があります。

静的解析と過渡解析

Maxwellの静的または過渡ソルバーを使用して、2次元および3次元磁場解析を実行できます。コイル設計 (形状係数、ターン数およびワイヤサイズ) および形状の最適化は、電流と位置を変更して、アーマチュアの力対位置および電流を表す一連の静的シミュレーションを行うことができます…

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