解析講座 設計者CAEに不可欠なもの サイバネットシステム株式会社 栗崎 彰

設計者CAEに不可欠なもの

CAEのあるものづくり Vol.28|公開日:2018年6月

目次
  1. フロントローディングの正体
  2. シミュレーションの意義
    1. 形状の仮想試作−3次元CAD
    2. 性能の仮想評価−CAE
  3. CAEの導入プロセス
  4. 設計者CAEの課題
    1. 思考とプロセスの分断
    2. 解析作業そのものが持つループ性
  5. 設計者CAEに必要な三大要素
    1. スピード
    2. タフネス
    3. バリエーション
  6. ANSYS Discovery Liveの登場

フロントローディングの正体

設計に設計変更は付きものです。
設計変更は、 設計をより完全なものへと追い込んでいく行為であり、設計開発プロセスには必要不可欠なものです。
設計が進むにつれて、設計変更にかかるコストは増加していきます。設計変更は、 製品が市場に出てからも生じる可能性があり、それがリコールです。リコールともなれば、製品の修理告知、回収、修理、代替え品、再納入など必要なコストは激増します。それに対し、設計の初期段階では設計変更コストは少なくて済みます。 設計変更に要するコストが最も少ないうちに設計の質を高める努力をすること。それがフロントローディングです(図1)。

図1 フロントローディングとCAEの導入プロセス
図1 フロントローディングとCAEの導入プロセス

フロントローディングをどのような技術によって実現するのでしょうか。
フロントローディング後のプロセス曲線と従来のプロセス曲線を比較します。後工程になると試作が減りコスト削減となります。フロントローディングの効果が現れたことになります。その反動として前倒しされたプロセス曲線の膨らみと従来のそれを埋める技術のひとつがシミュレーションです。

シミュレーションの意義

ここでいうシミュレーションとは広義のシミュレーションのことです。部品や製品の形状や性能を模擬的に表現することを示します。 3次元CADは「形状の仮想的な試作」であり、CAEは「性能の仮想的な評価」です。 多くの企業が3次元CADを導入し、CAEを行なっているのは、フロントローディング実現のための施策ということになります。

2.1 形状の仮想試作−3次元CAD

3次元CADの導入によって、試作前に様々な問題を解決できるようになりました。製品の重量、重心位置、重心点まわりの慣性モーメント、干渉チェックなどが3次元CADモデルからわかります。それは仮想空間に存在するリアル・モデルの写像です。

2.2 性能の仮想評価−CAE

CAEの導入によって、 試作品で行なわれる様々な実験が仮想的にできるようになりました。構造的な強度の検討、製品の外部や内部の流体の流れ、熱源による温度の分布などがCAEからわかります。それは仮想空間に存在する実験室や試験器の写像です。

本稿では、 性能の仮想評価であるCAEについて掘り下げて解説します…

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