解析事例 広がる!流体-構造連成解析の可能性(2) モデル化手法と解析事例

広がる!流体−構造連成解析の可能性(2)

CAEのあるものづくり Vol.24|公開日:2016年5月

目次
  1. はじめに
  2. FSI解析のモデル化手法
  3. 双方向FSIを利用した解析事例
  4. 終わりに

はじめに

前回記事(「広がる!流体−構造連成解析の可能性 〜より現実的な課題解決に向けて〜」CAEのあるものづくりVol.22 2015年5月発行)でもご紹介したように、近年は流体とそれ以外の物理場が互いに影響しあう現象の連成解析のニーズが高まっています。関連する物理場は構造分野/電磁場分野/音響分野が挙げられ、構造分野であれば本稿の中心となる流体構造連成解析(Fluid Structure Interaction = FSI)、電磁場分野であれば空冷されるモーターのように発熱分布とその時の周囲流れ場、音響分野であれば渦から発生する音を解析する空力騒音のように様々な分野やアプリケーションに適用されています。

弊社で販売・サポートを行っている解析ツール「ANSYS®」では上記のいずれの解析にも対応しています。FSIであれば構造解析ツールのANSYS® Mechanical™と流体解析ツールのANSYS® CFX®やANSYS® Fluent®の組み合わせで対応でき、電磁場分野であればANSYS®Maxwell®やANSYS® HFSSTMと流体解析ツール、空力騒音の音響分野であれば流体解析ツールと弊社開発ソフトのWAONを組み合わせることで実施できます。

いずれの解析ソリューションにおいてもアカデミック/産業界で研究開発が現在でも進んでおり、今後ますます技術的な発展が期待される分野と考えられます。この中でもFSIの注目度は高く、より精度の高い解析結果取得や、今まで理解されていなかった現象の原因調査など、多くの場面で利用が進んでいます。

そこで、本稿ではANSYSの片方向FSIと双方向FSIを2章でご紹介し、さらに双方向FSIを利用した解析事例を3章でご紹介いたします。

FSI解析のモデル化手法

本章では片方向FSIと双方向FSIの概要をご紹介いたしますが、その前にFSI現象を分解し、どのようなプロセスで現象が進むかを確認します。FSI現象は

A. 流体から受けた圧力により構造物が変形する

B. 変形により流体の流れ場に変化が発生し、受ける圧力が変化する

C. 圧力が変わり、“A”とは異なる変形になる

D.“ B”とは異なる変形のため、圧力が変わる

のように、AからDまでを繰り返す現象になります。

このプロセスにおける挙動の違いにより、片方向FSIか双方向FSIの選択をすることになります。

2-1. 片方向FSI解析

ここで“A”の変形量が小さくなり“B”による圧力変化量が無視できるような場合を考えます。このときには“C”の圧 力も小さいため“A”と異なる形状にはならないことが分かります(=流路が変わらないため、結果にも影響が生じません)。このような場合は片方向FSIのモデル化を行います。


図1 片方向FSIにより得られたパイプの変形量

片方向FSIでは流体解析で得られた圧力分布を構造解析に転送し、図1のように詳細な変形量を得ることが可能です。図1のカラーバーでは変形量が微小な範囲に留まっていることが分かります。このように微小な範囲であれば、本来の流れへの影響も微小になりますので、片方向FSIのモデル化が可能になります。

より厳密な結果を得たい時は双方向FSIを行う必要がありますが、流体領域が大きく変形しない現象を捉えるときには、計算時間や設定の容易さを鑑み、上記のような片方向FSIの手法が選択されます。

2-2. 双方向FSI

一方、“A”から“D”のプロセス通りに進んだ場合(=“C”における変形量が“A”と異なる場合)には双方の影響を無視す ることができません。この場合は...

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