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構造解析

浜松ホトニクス株式会社 様

光半導体パッケージの反り解析でANSYSを活用

浜松ホトニクス株式会社 様

CAEのあるものづくり Vol.18|公開日:2013年4月

目次

  1. 航空宇宙から自動車、電気電子、生命科学まで、幅広い分野で活躍
  2. 半導体の後工程でAnsysを採用。導入の決め手は抜群の知名度
  3. 他部門からの解析依頼も増加中。
  4. パッケージの反り解析では、解析結果と実験結果が合致。
  5. Ansys Workbenchは設定内容を一望できるため、設定作業の煩雑さが大幅に解消
  6. 疲労解析に大きなニーズ。課題は適切な材料データの入手
  7. ほとんど独学で覚えたAnsysの操作は、サイバネットのサポート体制が貢献。今後はいっそうの情報発信に期待。

「絶対真理への挑戦 光を通して未知未踏を探る-」
光半導体、光電子増倍管、分析用光源などをはじめとした、光関係の電子部品や電子機器の製造・販売を行う浜松ホトニクス様。1953年に「浜松テレビ株式会社」として創業して以来、つねに未知未踏の領域を追求されてきました。その極めて高い光技術は世界的な評価を受けています。2002年に、東京大学の小柴昌俊教授がニュートリノの観測でノーベル物理学賞を受賞しましたが、その際に開発されたカミオカンデでは、浜松ホトニクス製の光電子増倍管が大量に採用されていたことは広く知られています。

今回は、Ansysをお使いの固体事業部の皆様にお話をお伺いしました。

今回お話いただいた方々
固体事業部 固体三家製造部 生産技術グループ
 グループ長  早津 健造 様
       岩科 進也 様

(以下、お客様の名前の敬称は省略させていただきます。)

航空宇宙から自動車、電気電子、生命科学まで、幅広い分野で活躍

まず、御社の取り扱い製品についてお聞かせください。

早津 - 当社は高度な光技術をベースに、多種多様な製品を開発しています。

部署としては3つの事業部があり、ひとつは電子管事業部。ここで開発しているのは光電子増倍管と呼ばれる真空管で、高速・高感度の光センサーとして、医療・学術分野から産業分野まで幅広い分野で活用されています。2002年、小柴昌俊教授がニュートリノの観測でノーベル賞を受賞されましたが、観測に用いられたカミオカンデには、当社の光電子増倍管が大量に搭載されています。

次に、我々の所属する固体事業部です。ここでは光半導体を扱っており、製品は医療機器や車載製品をはじめ、計測器、デジタル家電、さらに学術研究用など、様々な用途で活用されています。

また、世界ではじめて小惑星「イトカワ」に着陸し、地表の微粒子を持ち帰った「はやぶさ」には、当社のイメージセンサが搭載されていました。また国立天文台が運用するハワイ/マウナケア山頂の「すばる望遠鏡」の主焦点カメラには、当社の世界最高感度を実現したCCDイメージセンサが搭載されています。

もう1つはシステム事業部です。光半導体や電子管などの光センサーをキーコンポーネントに、光検出技術、イメージング技術、画像処理、計測技術を統合したシステムを開発・製造しています。病理画像のネットワークを用いた観察・解析、半導体の故障解析から故障管理へのスケールアップなど、生命科学や半導体を中心に幅広い分野の製品開発に取り組んでいます。これらとは別に、中央研究所をはじめとした研究施設があります。

半導体の後工程でAnsysを採用。導入の決め手は抜群の知名度

御社の製品は、実に幅広い分野で採用されているのですね。光電子増倍管の分野でも圧倒的な世界シェアをお持ちと聞いています。固体事業部での、ご担当業務はどのようなものですか?

早津 - 我々が所属する固体三家製造部生産技術グループでは、光半導体の後工程にかかわる設計・開発業務を行っています。

岩科 - その中で、私はAnsysを使った解析業務全般のほか、関連する試作実験なども行っています。以前は実験を多く行っていましたが、最近では実験よりも解析の比率が増えています。

Ansysの導入経緯をお聞かせください。

早津 - Ansysを導入したのは10年ほど前です。当時、シミュレーションは行わず、信頼性試験などの実験で評価をしていました。しかし評価結果から、改善策を見つけるまでに時間を要していました。そこで設計の早い段階で、応力や反りなどを予測したいと考えるようになりました。

Ansysを選んだのは、当時から熱応力の分野で最も知名度が高かったからです。多くの論文でAnsysの解析結果が引用されていましたし、入社してくる学生もAnsysの利用経験がありましたので、これなら安心して導入できると考えました。

岩科 - 社内でも、シミュレーションツールは様々な部門で使われているのですが、機械系では、本格的なCAEはAnsysがほぼ初めてだったと思います。

当時から解析を取り巻く環境は変わりましたか?

岩科 - 変わったと思います。私が入社したころには既にAnsysは導入済みでしたが、当時は社内的にはAnsysの知名度はあまりありませんでした。

しかし最近、当事業部では、製品開発にもっとシミュレーションを導入して、コスト削減や品質向上を図ろうという動きが活発になっています。社内で定期開催されている技術発表会でAnsysの解析事例を紹介していくうちに、様々な部門から解析依頼が来るようになりました。最初のうちは、過去に起きた不具合の原因解明を目的としたものが多かったですが、次第に、試作する前に相談を受ける事も増えてきました。

他部門からの解析依頼も増加中。

御社の中で、機械系のエンジニアの方はどのくらいいらっしゃるのですか?

早津 - 全社的には、光学系や電気電子系、化学、物理系の出身者が大半です。しかし当部門は後工程を扱うため、反りや疲労などが問題になりますので、岩科のような機械系の人間が何名か所属しています。

解析内容の打ち合わせや解析結果を評価する際、専門分野が異なる方とのコミュニケーションはどうしていますか?

岩科 - 専門用語の問題もあるので、必ず一度会って説明しています。わかってもらえるまで説明するようにしていますが…

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