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構造解析

富士機械製造株式会社様

電子部品実装機械の性能を決める「位置決め精度」の改善にANSYSを活用

富士機械製造株式会社様

CAEのあるものづくり Vol.13|公開日:2010年10月

目次

  1. 構造・流体解析から、実験結果との比較まで行う少数精鋭部隊
  2. モジュール型高速多機能装着機「NXTⅡ」の開発にAnsysが活躍。
    解析結果は、機械設計と制御設計のすりあわせにも有効。
  3. バージョンアップの度に機能追加が進むWorkbenchは魅力的
  4. 高密度化により、振動だけでなく熱対策も重要課題に。
    今後は流体解析などを活用して、さらに高品質なものづくりに挑戦。

本インタビューでは、電子部品組立機・工作機械の専門メーカー、富士機械製造株式会社様にご協力いただきました。富士機械製造株式会社様は、創業以来受け継がれてきた精神である「innovative spirit」をスローガンに、常に付加価値の高い革新的名製品を開発しつづけておられます。
主力製品は、モジュール型高速多機能装着機の「NXTシリーズ」。世界40カ国以上で高く評価されており、累計20,000モジュール以上も販売されたヒット商品です。また最新機種の「NXT II」では、Ansysを最大限に活用することで、今まで以上に無駄のない高品質な部品実装を可能にされました。
今回は、全社の解析業務を一手に引き受けるプロセス技術開発課を訪問し、マルチフィジックス解析ツールAnsys、汎用ポストプロセッサーEnSightの活用方法や、制御設計と機械設計のすりあわせについてお伺いしました。

今回お話いただいた方々
技術開発センター 第一開発部 プロセス技術開発課
 藤田 政利 様
 神山 和久 様
 山田 修平 様
(以下、お客様の名前の敬称は省略させていただきます。)

構造・流体解析から、実験結果との比較まで行う少数精鋭部隊

皆様の部署とご担当業務についてお聞かせください。

藤田 - 当社は、NXTシリーズを中心とした電子部品実装機を製造・販売する事業部と、工作機械を製造・販売する事業部、そしてこれらの事業に属さず研究開発活動を行っている技術開発センターで構成されています。私達は、技術開発センターのプロセス技術開発課に属しています。この部門は、他部門からの依頼を受けて解析を行うグループと、制御技術を研究するグループに分かれています。私達が所属するのは前者の解析グループです。
私は入社当初は制御関係の仕事をしていましたが、6年前から解析に携わるようになりました。主に電子部品実装機の振動解析、静的な変形解析を中心に解析業務をしています。現在は、マネージャとして解析グループを含めた課全体の取りまとめをしています。

神山 - 私は、入社当初は実験検証部隊にて、現場で製品の検証を行っていました。その後本グループに配属になり、電子部品実装機や工作機械の構造解析・動解析に取り組んでいます。
また1年前ぐらいから、流体解析についても勉強しています。

山田 - 私は、構造解析と流体解析の担当です。また、解析結果の検証に実験モーダル解析も行なっています。

最近は、実験を行っているCAE部隊は少ないようですが、皆様の部署では解析から実験まで担当されているのですか。

藤田 - 人数が少ないということもあって、解析と実験の整合性を検証するところまで行っています。昔は私もやっていましたが、今は山田が引き継いでくれています。自分の行った解析との誤差などが生じる要因を考察できるので、解析スキルアップにもつながっていると思います。

山田 - 作業を効率化するために、電子部品実装機では、動特性を表現するポイントとなる機構特性をデータベース化しています。これによって過去のデータを容易に参照できるため、同じようなモデルであれば、短時間に解析結果と実験結果を合わせられるようになりました。

神山 - 工作機械の切削ポイントの動特性についても、社内の評価基準があるのでデータベース化をして効率化を図っています。

現在ご利用中のCAEについてお聞かせください。

藤田:Ansys Multiphysicsは10年前から1本導入されていましたが、電子部品実装機の解析に使うようになったのは、私が異動してきた6年前からです。その後、Ansysが社内の標準ツールになり、CFXやDesignModelerなど、段階的にライセンス数を増やしていきました。また流体解析の結果の可視化のために、EnSightも購入しています。

設計者の方もCAEはお使いですか?

神山 - 基本的には、私達がほとんどの解析を請け負っていますが、最近は解析の依頼件数が結構増えてきています。構造解析に比べれば少ないですが、流体解析も徐々に増えてきていますので、今後は、設計者にもCAEを普及させていく必要はあると感じています。

解析の依頼件数が増えているのはなぜですか。

藤田 - 上層部の認識が変わってきたためだと思います。最近では、少し設計を改良しただけでも解析による確認が求められています。私達の扱っている製品では、振動や熱が製品性能に大きな影響を与えてしまうので、今後も解析はますます重要になっていくと考えています。

汎用ポストプロセッサーのEnSightは、どのようにお使いですか。

藤田:流体解析では、メッシュ数やサンプル数の増大などで解析規模が大きくなりやすく、CFXのポストプロセッサーでは重くなってしまうのが悩みでした。
そこでEnSightを導入したのですが、非常に軽く、アニメーション表示をしながら、回転動作をさせることも容易です。一番使っているのは2つの解析結果を重ねて表示する機能で、例えば穴位置を変えた時と、変える前の流線の結果を比較する際にとても便利です(図1)。

EnSightによる結果表示図1  EnSightによる結果表示

モジュール型高速多機能装着機「NXTⅡ」の開発にAnsysが活躍。
解析結果は、機械設計と制御設計のすりあわせにも有効。

「NXTⅡ」の開発では、どのような解析をされたのですか。

藤田 - NXTⅡの開発では、高速・高精度実装といった市場のニーズに応えるために、機械振動による悪影響をできる限り除去し、性能を最大限まで引き出すことに注力しました。
特に電子部品実装機は制御技術を用いて高速で動作しているので、制御性能と機械振動のマッチングの評価には苦労しました。
解析を使って、構想設計段階で繰り返し評価を行うことで…

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