ユーザインタビュー GEヘルスケア・ジャパン株式会社 様 設計者にCAEを。ANSYS Workbenchを使った「FEAグランプリ」が成功し、利用者が急増

GEヘルスケア・ジャパン株式会社 様

CAEのあるものづくり Vol.12|公開日:2010年4月

本インタビューでは、GEヘルスケア・ジャパン株式会社様にご協力いただきました。同社は米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門の中核拠点として、現在GEが全世界で推進している「ヘルシーマジネーション※」戦略にもとづき、CTやMRIなどの画像診断装置やヘルスケアIT、バイオ医薬品などの幅広い分野で、最先端の医療技術やサービスを提供しています。また外資系画像診断装置メーカーとしては唯一、国内に開発・生産拠点を持ち、日本発の質の高い製品を全世界に向けて発信しています。
今回は昨年、社内で大きな成果を上げられた設計者向けのCAE教育プロジェクトについてお話をお伺いしました。

※ヘルシーマジネーションとは:世界が直面する深刻な医療問題の真の解決を目指して、2009年5月にGEが策定した新戦略。2015年までに60億ドルを投じて、100種類のイノベーションを実施し、15%の医療コストの削減、15%の医療アクセスの拡大、ならびに15%の医療の質向上の実現を目指しています。

今回お話いただいた方々
Science and Technology Operation
機構設計部
 部長   早川 和彦 様(USMグループリーダー兼務)
アドバンスト・メカニカルチーム
 リーダー 舞田 正司 様(MRMEグループ兼務)
      北川 誠一 様(CTMグループ兼務)
      小林  充 様(CTMグループ兼務)
(以下、お客様の名前の敬称は省略させていただきます。)

目次

解析や最適化、実験など多方面から設計現場をサポート

- 皆様の担当業務についてお聞かせください。

早川 - 日本の開発部門の組織はエレキ、メカ、ソフトなどのファンクショナルな組織と、MR、CTといった製品開発部隊がクロスする構造になっています。私はメカ分野を担当する機構設計部全体を統括しています。

舞田 - 私は機構設計部のアドバンスドメカニカルエンジニアリングチームでリーダーを務めています。当チームは解析や最適化、評価、実験などの様々な観点から、機構設計部の製品開発をサポートする役割を担っています。メンバーは各製品開発チームから選出されており、全員設計も兼務しています。

北川 - 私も同じチームで解析や設計を行なっています。昨年まではMR担当でしたが、今年からCT担当になりました。

小林 - 私も同チームで解析したり、CTのテーブルやガントリー等を設計しています。

- 海外オフィスとの役割分担は?

早川 - CTやMRの場合は、主に日米中の3ヵ国で開発・生産を行っています。米国では最先端の医療機器、技術改善や製品としての完成度を高めるのが得意な日本はどちらかというと普及品、そしてコスト面でのメリットを出しやすい中国では廉価版というように、それぞれの特性が活かせる体制になっています。

- 現在ご利用のCAEは?

舞田 - ほぼ全てがANSYS製品です。ライセンスとしてはMultiphysicsと、最近になってIcepakを使い始めました。この他、最適化では主にDesignXplorerを使っていますが、複雑な応答局面を扱うなど問題がかなり高度になる場合はOPTIMUSを使っています。

- ANSYSの導入経緯についてお聞かせください。

舞田 - きっかけはGE全体で、ANSYSが標準ツールとして選定されたことでした。
我々は他のツールを使っていたのですが、非線形等の解析の要求が出始めていたため、この機会にANSYSを導入しました。
操作環境は主にWorkbenchを利用しています。導入当初はまだ出たばかりで機能も限られていたためMechanical APDL(旧称:Classic)を使うようにしていましたが、Workbenchにはその頃から興味を持っていました。その後、数年で機能が急速に充実したのでWorkbenchに切り替えました。

CTの開発を中心に解析ニーズが急増し、設計者向けのCAE教育が課題に

CT(全身用コンピュータ断層撮影装置)
図1 CT(全身用コンピュータ断層撮影装置)

解析例(ネジ周辺部の非線形解析)
図2 解析例(ネジ周辺部の非線形解析)

- 医療機器業界では、CAEはどのくらい浸透しているのですか。

舞田 - 業界全体としては旧くから使われていましたが、当社で利用が急増してきたのは近年になってからです。
中でも特に多いのがCTです(図1)。CTは患者様の体の断面像を撮影する装置で、X線を放出するチューブやチューブへ電力を供給する高圧系、人体を透過したX線を集めるセンサーなどが回転して画像を撮影しています。撮影の時間が短縮されれば生産性が向上しますので、お客様である病院からは回転速度の向上を強く求められます。一方高画質化へのニーズに応えるため構造物は重量化しがちで、回転部分の部品強度は特に重要な問題です。内容としてはシンプルな構造解析なのですが、こうした背景からCAEの需要が急増してきました(図2)。

問題作成から会期中のフォローまで、きめ細かい準備・運営を実施。その努力が実り、部内の実務設計者のほとんどがCAE利用者に

- それで設計者向けのCAE教育が必要となってきたのですね。
昨年のANSYS Conferenceで発表いただいた設計者向けの競技会「FEAグランプリ」は非常に興味深い事例(図3)でしたが、実施の経緯をお聞かせください。

舞田 - 最初は我々のチームで解析を請け負っていたのですが、急増する解析依頼に対応しきれなくなってきました。かねてより設計者にはコンセプトの段階から設計検証してほしいという思いもあり、それを実現するためにも設計者1人1人に解析のスキルを習得させる必要がありました。
そこで2002年頃から設計者向けのCAE教育に着手したのです。しかし講習会を開いたりテンプレートを用意したりと色々試みたものの、最初のうちはあまり効果がでませんでした。
ところが2005年にWorkbenchを導入したことが転機になりました。ある日、設計者の1人が解析依頼に来ました。他の業務の都合で対応する時間がなかったためWorkbenchの使い方だけ教えて帰したところ、その設計者は数日後にきちんと解を出してきたのです。その後、我々のアドバイスを受けながら2、3回ほど経験すると、彼は継続してCAEを使うようになりました。
このことから、やはり講義形式では浸透力が弱く、自分で繰り返し使って慣れることが重要なのだと実感しました。そこでWorkbenchを使って楽しみながら繰り返し解析を練習できる方法はないかと考え、色々と試行錯誤を重ねた結果、2009年に実施したFEAグランプリに行き着きました。

早川 - もともと、機構設計部のエンジニアのスキルを上げたいという思いがあり、CAE教育は非常に有用だと考えました。CAEを使えば、勘で設計するよりも確実に答を出すことができます。
また解析部隊に依頼をしていた当時は、解析の順番待ちで先に進めないとか不安なまま進行してしまう事もありました。そうした問題を解決するためにも…

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