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構造解析

東洋エンジニアリング株式会社様

熟練解析者が語るCAEの使いどころ

東洋エンジニアリング株式会社様

CAEのあるものづくり Vol.10|公開日:2009年3月

東洋エンジニアリング様は、1961年の創業以来40年以上に渡って、海外の石油・化学関連を中心に、国内外の様々な産業プラントや生産設備の研究開発や企画・設計・建設、そして技術指導を手がける業界トップクラスの総合エンジニアリング企業です。
「お客様の最大の満足と成功を約束するトータルソリューションの提供」を企業理念とし、めまぐるしく変化する事業環境の中で、ますます多様化・個別化するお客様の課題に対して、安全・品質・環境に配慮しつつ、最適な提案を続けられています。
今回は20年来に渡り、業務で“Ansys”をご利用いただいている応用技術グループの皆様に、業界のトレンドや社内でのCAE教育や効果、そして将来的な展望などについて、幅広くお伺いしました。

今回お話いただいた方々
応用技術グループ グループマネージャ             家合 克典 様
応用技術グループ 設計解析チーム テクニカルエキスパート 永田 聡 様
応用技術グループ 設計解析チーム            鈴木 直 様
(以下、お客様の名前の敬称は省略させていただきます。)

皆様の部署とお仕事の内容についてお聞かせください。

家合 - 私たち応用技術グループではメンバーが約20名います。大きく2つのチームに別れていて、1つがCAEを中心とした解析業務、もう1つが材料の評価や分析を行っています。

解析業務で担当している範囲は非常に広いのですが、やはりプラントにおけるクリティカルな部分の解析が大半を占めます。
つまり万一不具合が発生した場合、プラントの性能や安全性に大きな影響を及ぼす可能性がある部分についての解析です。

永田 - 私と鈴木は構造解析を担当していまして、その内容は、設計段階で本当に機器や建物が壊れたりしないか、設計基準を満足しているか、という「事前検証のための解析」と、現象としてモノが壊れた際にどうして壊れたか、原因は何か、という「原因究明のための解析」の2つです。家合は熱流動解析を担当していまして、例えば、ある機器の中の流れが想定通りで性能が確保できるかといった「設計検証」と、問題が生じた場合の「熱流動の観点からの原因究明」を行っています。

もう1つ我々の業務として非常に重要なことは、解析によって得られた設計のポイントやトラブルの原因を的確に設計現場にフィードバックして、ノウハウとして次の設計・開発や運営に活かしてもらうことです。

主業務であるプラント開発・建設業界で近年注目され、御社でも注力されているトレンドがあればお聞かせください。

家合 - 環境問題への対応と、新(代替)エネルギー開発ですね。環境問題については、環境に対する基準が一般に厳しくなってきていることや二酸化炭素の排出量低減を目指す動きの活発化がその背景にあります。二酸化炭素への対応は大きく2通りあり、1つはできてしまった二酸化炭素を圧縮して地中や深海に埋め込むといったCCS(二酸化炭素回収・貯留)というアプローチ、もう1つは最初から二酸化炭素が出ない、もしくは出る量が少ない新(代替)エネルギーを効率的に生産するプロセスを開発するというアプローチです。

新(代替)エネルギー開発については、二酸化炭素問題に限らず、環境保全という意味からも世界中で様々な取り組みが始まっています。石油や石炭に代わる燃料として具体的なところではバイオエタノール、より低公害な燃料としては軽油代替燃料のDME(ジメチチルエーテル)などがあります。

当社でも、これまでの得意分野に加えて、こういった新(代替)エネルギー分野の開発やプラント建設にも取り組んでいます。
たとえば、大気汚染が深刻な中国内陸部で、先程ご紹介した燃料用DMEの生産プラントを建設しました。当社が手掛けたDMEプラントは中国だけでも3箇所あります。

環境問題への対応や新(代替)エネルギー開発でもCAEやシミュレーションは活用されているのでしょうか。

家合 - 技術開発の段階では実験やシミュレーションはもちろん必要です。ただし、最上流のプロセス的な検討は主に化学工学系の専門家がプロセスシミュレータなどを利用して実施しており、我々のグループで扱うFEAやCFDが必要になることは少ないですね。

プロセス的な検討から機械的な設計検討の段階に移ると、FEAやCFDによるシミュレーションが不可欠になってきます。たとえば、パイロット装置から商用プラントにスケールアップする場合などは個々の機器の大きさが何倍、何十倍にもなります。そのような機器の性能を左右する内部の流動状態や伝熱状況は、パイロット装置で予測されたような特定の物理量や無次元パラメータによる相似則から大きく外れている可能性があります。また構造的な面からも、その機器の大きさが過去に手掛けた類似の機器のサイズからジャンプアップしているような場合、今までの設計法では対応できない思わぬ問題が新たに出てくるかもしれません。このような問題発生の有無を設計検討段階で事前に把握し、問題ありとなればそれを潰すための合理的な具体策を出すのが我々の役目です。実規模・実条件の実験で検討するわけには当然いきませんから、やはりシミュレーションによる検討に頼らざるを得ません…

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