[株式会社キョウデン]部品の3次元形状まで考慮した、プリント基板の性能評価にANSYSを活用 「我々が行っているような複雑で難易度の高い設計は、シミュレーションなしには成り立たないと思います」

目次

では、具体的な事例をご紹介いただけますか。

村田 こちらはコネクタのモデルです。部品メーカーがWebサイトで公開している3次元の形状データをダウンロードしてきました。
このコネクタは、樹脂と信号を通すためのピン(金属)から構成されています。しかし図1のように、提供されるモデルは一つの塊でしかありません。もともとこうした形状データは、筐体に入れたときの干渉チェック用などに作られたものなので、形状さえあれば内部構造は必要ないのです。
しかし、我々の目的はANSYS HFSSで部品の特性(Sパラメータ)を得ることですから、これでは意味がありません。そこでANSYS SpaceClaimのプル機能などを使ってモデルを分割し、ピンなど電磁界解析に必要な形状を追加し、ANSYSHFSSと互換性のあるACIS形式で保存しました。

この作業にはどのくらいの時間がかりましたか。

村田 この程度なら半日もかからないと思います。プル機能はとても便利ですね。

ピンの間隔など、部品の寸法情報はどうやって調べているのですか。

村田 部品メーカーから提供いただいたカタログやデータシートを利用しています。
上原 形状データを保存したあとは、図2のような流れでANSYS HFSSでインポートして解析を行い、Sパラメータを求めています。

ANSYS Convergence発表資料ダウンロード

株式会社キョウデン様
「ANSYS SpaceClaim、HFSS、Designerを用いたSI解析事例」

解析の精度はいかがですか?外部から入手したモデルを模擬して解析しているので気になりますが。

村田 現在、部品メーカーより提供いただいたSパラメータと、ANSYS SpaceClaimやANSYS HFSSを使って求めたSパラメータとの比較を進めています。なかなか良い相関が取れそうです。

ANSYS HFSSについてのご意見をお聞かせください。

上原 16.0でインターフェースが統合されたことで、操作性が非常によくなりましたね(図3)。 従来は、ANSYSHFSSとANSYS Designerは別々に立ち上げて操作していたので、都度、ツールを切り替えなくてはならず煩雑に感じていました。しかし16.0からは2つのツールを同じ環境内で使えるので、作業効率がかなり良くなったと思います。そのせいか、解析時間も短くなったような気がします。

ありがとうございます。解析スピードの向上はバージョンアップの度にはかられています。リリースの際に大々的にお伝えしていなくても、環境によってはその効果を実感いただける場合もあるようです。今後もぜひご期待ください。

3次元電磁界解析を導入したことでさらに幅広いサービスの提案が可能に。今後は筐体の影響の考慮や、熱対策が仮題

ツールの導入効果についてお聞かせください。

上原

詳細な3次元電磁界解析ができるようになったため、お客様に提案するサービスの幅が広がりました。ANSYS HFSSの解析結果をプリントして、販促ツールとしても使うこともありますよ。ちょうど高速シリアル伝送を扱う案件が出はじめたころだったので、タイミングも良かったです。

また想定外の効果としては、今まで納品していた完成品に加えて、設計したプリント基板の3次元データが欲しいというご要望が増えました。以前は出力できるデータ形式が限られており、なかなかお応えできませんでしたが、今ならすべて出すことができます。当社サービスの新しい付加価値としてご好評いただいています。

今後取り組まれたいテーマについてお聞かせください。

上原

先ほどお話ししたように、今後は筐体を含めた最終製品の開発を進めていきたいです。具体的には熱解析や連成解析になると思います。全く新しい分野への取り組みになりますので、サイバネットシステムのサポートに期待します。

また、将来的には未来のエンジニア育成というか、学生にプリント基板の設計やシミュレーションを教える活動にかかわれると良いですね。基板を使った製品は身の回りにあふれているのですが、自動車などに比べると注目されにくい分野です。
実際、当社にも基板設計がどのような仕事かイメージを持てないまま入社し、そのまま辞めてしまうケースがあり残念に思っています。ベンダーや学校などいろいろな組織と協力して、もっと裾野を広げていけると良いですね。

サイバネットは長年にわたり、ANSYSの熱解析や連成解析のサポートを行ってきました。セミナーやWebサポートなども充実していますので、お役にたてることがあればぜひお声掛けください。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

キョウデン(株)上原様、村田様にはお忙しいところインタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

【メカニカルCAE事業部マーケティング室】

図1 ANSYS SpaceClaimを用いたモデル修正

図2  ANSYS SpaceClaimとANSYS HFSS、ANSYS Designerを使った解析の流れ

図3  ANSYS HFSS、Designer共通の操作環境(ANSYS Electronics Desktop)

1 2

はじめてのANSYS体験セミナー

Webマガジン「CAEのあるものづくり」
無料ダウンロード配布中!
当社発行誌「CAEのあるものづくり」は、CAE技術者の方や、これから解析を行ないたい設計者の方を対象とした技術情報誌です。お客様の解析事例紹介やインタビュー記事、解析のテクニックなど、スキル向上に役立つ情報をご提供しています。

詳細

CONTACT US

ご購入・レンタル価格のお見積り、業務委託についてはこちら。

お問い合わせ

ページトップへ