[澁谷工業株式会社]「世界のトップを走るボトリング技術」を支えるANSYSのシミュレーション

目次

ANSYSのシミュレーションで「機械が進化しない」という壁を乗り越える

ところで、御社にとってシミュレーションとはどのような位置づけですか。

西納 澁谷工業のものづくりには欠かせない存在です。設計の早い段階からシミュレーションを活用しています。

西納 幸伸 様


特に近年、海外で市場展開をするようになって、シミュレーションはますます重要になってきました。先ほどお話ししたとおり、当社のシステムは品質が強みです。とはいえ中国や東南アジアではそこ までの高品質は求められない場合が多く、逆にコストの高さがネックになりがちです。
そこで性能面を維持しつつ、現地の市場価格に近づけるために、小型化や軽量化、部材の省略などを検討しなくてはなりません。
人間の頭では過去の経験や実績から逸脱するのはなかなか難しいので、ANSYSのシミュレーションが大いに役立っています。
よくCD(Cost Down / コストダウン)と言いますが、当社はコストダウンではなくコスト破壊(Cost Destruction)なのです。部分的な変更だけでは、海外からの要求には対応できないので、ゼロから考え直す必要があります。
西納 経験上、「良し」とされてきたものを変えるのは難しいものです。もしシミュレーションがなかったら、設計変更の効果を手計算や実験で立証しなくてはならないでしょう。出来なければ、「良いところは変えるな」という結論に陥りがちですが、それでは発展が止まってしまいます。
ANSYSのようなシミュレーションソフトがあるお陰で、我々は「機械が進化しない」という壁を突破できるのです。

線形構造解析から流体解析まで、幅広い用途でANSYSを活用

具体的にはどのような解析にお使いですか。事例をいくつかご紹介いただけますか。

西納 ANSYSは線形・非線形構造解析から伝熱、磁場、流体まで、幅広く利用しています。
例えば、図1はバルブベースの熱応力解析です。表面層に90度の熱水を注いだ場合の熱変形と、自重によるたわみを合算しています。この変形が周辺の機械や部材と干渉したり、バランスを崩さないかどうかシミュレーションで検証しています。
当社の機械は、ホット充填といって上から熱いものを注いだり、熱水で洗浄することが頻繁にあります。そのため上部の熱変形が大きな問題になっています。
西納 当社の機械は2 〜 3メートルもある大型機械ですので、わずかな変形でも末端に行けばミリ単位の変形になってしまいます。サイズが大きく現象も複雑なため、これらの問題を手計算で評価するのは相当な労力がかかりますが、シミュレーションなら比較的短時間に、詳細な解を得られます。ANSYSのシミュレーションのおかげで、設計の早い段階から問題を予測できるようになったため、開発期間の短縮にもつながりました。
 
また、機械の運転時の性能も重要ですが、製品の設置や輸送も無視できない問題です。図2はフィラ※1およびキャッパ※2フレームの強度解析です。メインフレームだけでも10メートルもある大型のもので、輸送時にクレーンで吊るとたわんでしまいます。そこで変形量を許容範囲内におさめるため、吊る位置や補強の場所などを色々と変更しながら、最適な条件を探していきました。
 
シミュレーションは、簡単に条件を変更して、再計算できるのが便利ですね。機械はいくつもの複雑な部品でできているため、たわみを手計算で求めるのは大変な作業です。以前、手計算でやっていたころは、実際につり上げてみたら予想以上に変形してしまい、現地で修正することもありました。
この他にも、ペットボトルへ充填していく効率を上げたり、液ロス(充填前に液体を流して状態を整えること)を減らすなど、お客様側の生産効率を上げるためにも、シミュレーションを活用しています。

図1 バルブベース強度解析


図2 フィラおよびキャッパフレームの強度解析

ANSYSの導入経緯はどのようなものでしたか。

ANSYSが導入されたのは今から20年以上前です。当時、ある展示会で充填機を出展したところ、機械が落下して破損してしまいました。保険には入っていたものの、僅か1mの高さから落下した程度で機械が運転しなくなった状況に保険会社から問合せが入り、回答書を作成することになりました。そのときは何とか手計算で資料を作成したのですが、非常に労力のかかる作業だったので、CAEの必要性を感じるようになりました。そこで、ある雑誌で知ったサイバネットのことを思い出し、訪問したのがANSYSとの出会いです。
当時はCAEのユーザーはほんの数名でしたが、2000 年以降にANSYSと3 次元CADとの連携が可能になってからは、CAEの利用者が急速に増加していきました。

>>次ページ:新入社員全員がCAE研修を受講。設計者も日常的にANSYSを活用

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