[住友ベークライト株式会社]革新的な材料開発に、ANSYSとMultiscale.Simの解析技術が貢献 〜「今、できないもの」を提示することにこそ、シミュレーションの意義があると思います〜 -3-

目次

ガラスクロスの影響までモデル化できる点を高く評価し、Multiscale.Simを導入。

- Multiscale.Simの導入経緯をお聞かせください。

畑尾 ちょうどMultiscale.Sim が発売されたばかりの頃ですね。我々は基板材料を扱っておりますが、Multiscale.Simは、基板の中のガラスクロスまでモデル化できると聞き、当社の業務と直結するので導入しました。ANSYSはその時、Multiscale.Simと併せて購入しています。
当社では別のCAEツールも使っているのですが、ガラスクロスをモデル化するのは大変な作業でした。ところがMultiscale.Simを使えば簡単にモデルが作成できますし、このように顧客のニーズをいち早く汲み取って、きちんと製品化しているサイバネットにも好感が持てました。
当時は弾性体しか扱えませんでしたが、最近のバージョンでは、粘弾性が考慮できるようになりましたね。樹脂製品の場合、粘弾性の考慮は必要不可欠なので助かっています。

- ありがとうございます。では、解析事例をご紹介願えますか。Multiscale.Simとは別に、当社のカスタマイズサービスをご利用いただいたそうですね。

畑尾 当社では、別のCAEツールを利用して様々な解析を行ってきました。そのCAEツールに、はんだの物性や樹脂の物性といった様々な情報を蓄積してきたのですが、1つ問題がありました。
一般にはんだの疲労解析では、移動硬化則(※)を使うのが良いとされています。また、効率よく解析するには陰解法が適しているのですが、当社が使っているCAEツールでは、陰解法で解析することができませんでした。ところがANSYSでは解析できることがわかったため、今までそのツールで蓄積した材料モデル使ってANSYSで解析しようという話になり、サイバネットにカスタマイズを依頼しました。
※移動硬化則とは:
引張-圧縮のサイクリック荷重下における降伏挙動を記述するための数学モデルの一つ。引張側で材料が降伏すると、圧縮側では降伏応力が初期状態よりも低下する現象(バウジンガー効果)を考慮することができます。
畑尾 図は解析した電子部品の写真です。
上がチップと呼ばれる伸び縮みの少ない材料で、その下には基板があり、ガラスクロスが用いられています。チップや回路、基板の接続を維持するために樹脂が使われており、ここでは樹脂の特性や、基板の物性が変化したときの影響を解析しています。
解析モデル&実物写真

- ANSYSでは、ユーザーサブルーチンを使って、新しい材料モデルを組み込むことができます。今回のカスタマイズでは、ガラス転移点、すなわち特定の温度になった段階で、材料物性が不連続に切り替わるようなモデルを組み込みました。
その後いかがでしょうか?不連続に材料物性が切り替わる場合、収束性などに影響はありませんか?

畑尾 問題なく解析できていますし、解析結果にも満足しています。図の結果は、右がカスタマイズで組み込んだ「粘弾性」の材料モデル使った場合、左はそれを使わず、「弾性体」として解析した場合です。ひずみの分布が大きく異なっており、粘弾性を考慮することで、解析に大きな違いがでていることがわかります。

- 配線パターンや銅の残存率は考慮されていますか?

畑尾 配線パターンは解析に影響を及ぼすので考慮する必要がありますが、そのままモデル化することは解析時間を考えると無理があります。実際の配線パターンを見て、どのように影響しそうかを考え、色々工夫しながら考慮するようにしています。

>>次ページ:大切なのは、解析する前に「何が見たいか」「何のために見るのか」を明確にし、自分なりに予想を立ててみること。

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