[NECエンジニアリング株式会社 メディアネットワーク事業部 構造開発部]ANSYS DesignSpace導入の経緯について

標準的な設計ツールとしてSolid Edgeの本格使用を始め、その環境上でDesignSpaceを利用した解析へも取り組まれているNECエンジニアリング メディアネットワーク事業部 構造開発部様をご紹介します。

構造開発部主任技師の松本 定明 様

同社は、NECグループの技術開発の中核をなす会社の一つとして、通信技術、コンピュータ技術、LSI技術など広範な最先端の電子技術と、それらを統合するシステム技術を提供されています。その中において、メディアネットワーク事業部 構造開発部におかれては、伝送装置の実装構造設計、半導体PKGなど最先端技術の開発や設計などを担当されています。構造開発部主任技師の松本 定明 様(写真)は、Solid EdgeやDesignSpaceの導入及び現在の運用において、意欲的に推進にあたっておられる方です。

メディアネットワーク事業部 構造開発部の業務について

松本さまの部署では、どのような製品を開発・設計されていらっしゃるのでしょうか。

松本: 具体的に言うとたとえばこちら(写真1)のような伝送装置だとか、こちらのCATVの筐体(写真2)もそうですね。それから海底中継機という、海の中に光ファイバを通す際にそのファイバー同士をつなぐ筐体の設計も行っております。
無瞬断切替600M伝送装置
写真1.無瞬断切替600M伝送装置
セット・トップボックス装置(STB)
写真2.セット・トップボックス装置(STB)

CAE導入に関する背景

まず松本様のところでDesignSpace導入前に感じられていた問題は何ですか。

松本:解析はこれまでCAEを導入している社内の他部署に頼んでいました。そこにはANSYSも含めてCAEがいくつかあり、それらのCAEでこちらが依頼する解析を行ってくれていました。しかしそのような環境ですと、依頼先の都合もありますから、解析したいときにいつでも頼めるというわけでもないのです。ですから部門内で使えるCAEの必要性はずっと感じていました。

CAEの選定基準を考えるのは難しかったですか。

松本:解析経験者もいますから、CAEがどういうものかはある程度わかっていました。また設計者が利用するために、3次元CAD(Solid Edge)データが使えて、設計者自身が操作できて、かつパソコン上でも使えるという前提がありましたから、自ずと選定基準が決まりました。

DesignSpace導入の経緯

検討されたCAEというのは具体的にどのような製品でしょうか。

松本:先程の目的に合ったものですと、当時はDesignSpaceを含めて3製品しかなかったので、その3つを検討することになりました。実際に製品をかりて評価できたのはDesignSpaceともう1製品だけでしたが、一見ほとんど差はありませんでした。これら3つは価格もほとんど同じで、解析機能もほとんど同じでしたし。

その中でDesignSpaceに決められた理由というのは。

松本:DesignSpaceの方が設定も楽ですし使い易い印象がありましたね。ウィザードの操作環境ですと入力をいくつか行えば簡単に解析もできてしまいますから。また結果表示の際に、アニメーションで動かしながら拡大縮小などの操作が可能なのも便利でした。またレポート機能もたいへん気に入っています。自動的に作業の報告書を作ってくれるのは非常に助かっています。それから、もっと解析機能に関わることでいうと、解析時間が早いということがあげられますし、メッシャーはDesignSpaceが一番使えると思いました。

特にどういう点でメッシャーが使えると思われましたか?

松本:我々が扱っている筐体は、アスペクト比が大きくなる板金ものが多いのですが、そういうモデルでも上手くメッシュが切れました。普通はこういうモデルはメッシュに苦労するんですけどね。

ありがとうございます。ところでDesignSpaceを評価されていたときには、Solid Edgeは本格使用になっていたのですか?

松本:本格的な使用を始めるときでした。Solid Edgeの使用にはずみを付けるためにもSolid Edgeの設計データを効果的に利用できるアプリケーションを使おうと考えたのです。それがDesignSpaceの解析だったわけです。また先程も言ったように解析ニーズはずっとありましたから、3次元化になったタイミングで既存の解析ニーズが浮上してきたとも言えますね。

CADもCAEも、全体的にシステムの構築が上手く進んだということですね。

松本:どちらかというと導入が上手く進む様にタイミングを選んだとも言えますね。ニーズの存在と、ツールの存在が上手くかみ合わないと、チャンスを逃すわけです。ニーズは根本的にずっと持っていて、たえず新しいツールが出ればウォッチしていました。そしてニーズに見合うものが出たなと確信できたところで、導入に踏み切ったということです。ですから、CADもCAEもスムーズに導入するためには、そのための十分な準備も必要だと思います。導入目的を明確化し、それに見合うツールを入念に探すことが大事なのではないでしょうか。
貴重なご意見ですね。CADもCAEも製品価格だけでなく教育や運用を含めてコストがかかるものですから、ニーズに見合うかどうかの見極めが重要ですね。

DesignSpaceの印象や導入効果

先のお話の中で薄板ものでもDesignSpaceならメッシュが問題なく切れたとのことですが。

松本:もちろん薄板になると多少時間はかかります。ですが、他のソフトですと計算時間云々の以前にメッシュが切れないのです。DesignSpaceはメッシュが切れなさそうなところは、何とか大まかにメッシングして失敗を回避しようとしますよね。設計の初期検討レベルで解析を行う場合は、相対比較の中でどちらがいいという程度のことが解析で分かればいいのです。設計しながら使いますからラフなところはラフでということも大事なわけです。DesignSpaceはそれができるのでいいんですよ。ちょっとしたことでメッシュが切れないのでは、設計者の手には負えませんよね。Solid Edgeで作成したものをそのまま持っていって解析して駄目であればまたすぐSolid Edgeで修正してまたすぐ解析・・・そういう柔軟なツールがありがたいのです。

ではDesignSpaceの場合は設計によって解析が流れないということはないわけですね。

松本:今のところ大きな問題はありません。ただ3次元CADだとどうしても細かく設計してしまいます。コネクターがそのままついていたり、ネジも頭まで作ってしまうとか。そうすると簡素化しないと解析できませんから、敢えて問題というならばその辺ですね。

もし設計データに微少なずれがあるなどして解析できない場合は、CAEの方で自動的に補完して解析できるモデルにしてしまうというのが理想なのでしょうか?

松本:そういう考えもありますし、CAEがメッセージとして教えてくれればいいと思います。解析が流れないときに、ここに隙間があるとか、ここが細か過ぎるとか。そうすれば設計者は修正すべきところをすぐチェックできますよね。ですから、解析で不具合があって指摘してくれるのであれば、それは勝手に補完して解析されるよりも、問題点を指摘してくれる方がありがたい場合もあります。

DesignSpaceをまだ評価されていた時点で、予想としてこれなら設計者が使えるなという感触はありましたか?

松本:まず操作教育は必要ないと思いました。少し触っていれば使えましたから。それでも解析結果の読み方などのノウハウ的な教育は必要ですよね。DesignSpaceで簡単に解析結果を得ても正しく結果が読めなければいけません。ですから、そういう解析そのものの概念やテクニックは、サポートしてもらいながら習得していければと思いました。それに、設計者自身は毎日解析をするわけではありません。ですから、そういうときにも技術サポートをお願いしたいと思います。

DesignSpaceを導入して効果や改善された面というのはありますか。

松本:一番大きな効果は、DesignSpaceを導入する前に問題として感じていた情報伝達のミスやタイムラグが解消されたということです。部門間でのやり取りがなくなりましたから、本来必要な業務以外に膨大な時間を費やすということが無くなってストレスを感じませんね。自分自身で解析できるので、他人に頼むための資料作りや打ち合わせも必要ないですし、頼んだ解析の結果の説明を聞く必要もありません。ですから自分ですべてできてしまうDesignSapceは便利ですね。それに事前にある程度予測をつけられるようになって試作回数も減りました。それから、設計者が解析を自分で行うことによって、品質を高める意識がつきますね。本来は設計者が机上計算をして検討していたはずなのですが、一時期解析責任者というのができたものですから、結局その人に頼みだしてしまったわけなのです。それがDesignSpaceがでてくることによって、また元に戻ったという感じですね。ですから、いい方向だと思います。設計者にとっては、本当に設計しているんだという意識は強くなっていると思います。
DesignSpaceでその一部を解析した結果
DesignSpaceでその一部を解析した結果
Solid Edgeで作成したアセンブリモデル
Solid Edgeで作成したアセンブリモデル

DesignSpaceへの今後の期待

DesignSpaceへの製品のご要望はございますか?

松本:操作性の面で言うと、ベンダーさんの技術サポートと同様にDesignSpace自体に丁寧なヒント機能が付くといいです。解析できないとか、変な解が出たときに、「入力データがおかしいかもしれないですよ。」とか「このような解の可能性も十分あります。」とか、そういうヒントがあると心強いですね。それから解析機能の面でいうと、できれば将来的にANSYSの機能をDesignSpaceで使えるようになればいいですね。DesignSpaceの操作性でANSYSのような幅広い解析が行えれば理想ですね。時間はかかるかもしれないですが・・・期待しています。

3次元CADやCAEを検討される方へのアドバイス

では最後に、3次元CADやCAEを検討している設計者の方に対してアドバイスをいただけますか。

松本:まず使ってみるということですね。本当に使えるのか使いづらいのか、まずはとことん使ってみて、それから判断してみても遅くないと思います。もちろん買ってしまうことは難しいでしょうが、評価版なりレンタルするなり方法はあります。新しいことに取り組むときは、負担が増えることに不安を感じることもあるかもしれません。ただ、使ってみないと本当に負担が増えるのかも判断できないはずです。もし評価してみて期待外れであっても、それはそれで足りない機能を認識し、他の人にアドバイスできますし、次に活かせるはずですから。

どうもありがとうございました。今回のお話を参考に今後さらに充実した解析のサービス・サポートを提供させていただきたいと存じます。

「ANSYS Product News2000 Winter」に掲載

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