DesignSpaceによる潜水艇の設計

Hawkes Ocean Technologies 社

地球表面の約70 パーセントは水で覆われていますが、海底を調査する手段が不足しているために、実際に調査が行われているのはその5パーセントにも達していません。スキューバを用いてもダイバーの活動範囲は水圧の影響が少ない海洋の最上層部に限られますし、すべての目的のために実践的な潜水艦では視界がよくありません。従来型の潜水艇もこの問題にチャレンジしていますが、重厚で低速かつ光沢のある特性は時として海洋生物を追っ払ってしまいます。

この問題にチャレンジを続けるHawkes Ocean Technologies(HOT)のGraham Hawkes 氏の談:「現在の最上の潜水艇でも、言ってみればジャングルの中でマーチングバンドを連れて虎を捕獲しようとしているようなものです。」

Hawkes 氏の解決策は、スキューバ器具の自由度、潜水艦の運動性能と隠密性を備えた潜水艇の潜水能力と視認性を組み合わせ、海中飛行の概念を追求して設計された深海飛行機(DeepFlight Aviator )です。深海飛行機は同氏の最も洗練されたプロジェクトであり、海中飛行スクールというプロジェクトのベースとなるものです。降下運動を用いる従来の潜水艇とは異なり、反転翼と浮力を用いて飛行機は目的深度まで‘飛行’するのです。飛行機の鍵となるのは、同氏の設計における動力、重量および質量に関する最適化です。解決すべき問題は、飛行機に働く浮力に翼が対抗するために必要な速度である8 ノットを達成することです。概念的には、飛行機は剛体のダイビングスーツに遠隔操作で働く乗り物を組み合わせたものです。水深450 メートルでの水圧は45 気圧にも達するため、飛行機の主な設計基準は耐圧性となります。アルミニウム製の船体がパイロットを収納し、アクリル製の泡状の‘ヘルメット’が類のない360 度の視界をもたらし、水の屈折によるゆがみを少なくします。そして、この設計の成功を決定付けたのはエンジニアリング解析ソフトウェアDesignSpace でした。DesignSpace は主に、深海飛行機コンポーネントの抵抗を最小化し、且つ飛行機が49気圧の水圧に耐えるか否かを確認するために用いられました。オイルを詰めたキャニスターにより重要なコンポーネントを包むことで飛行機の簡略化がなされ、このキャニスターのサイズをDesignSpace と3次元CAD のAutodesk Inventor により最適化したのでした。「深海飛行機に適用したように、ソフトウェアは使い易く、確実ではあるが融通性を備えており、非常に洗練されています」と詳細設計を担当したエンジニアであるEric Hobson 氏は述べています。
Hobson 氏は、Autodesk Inventor とDesignSpace を用いて多くの設計変更にともなうシミュレーションを迅速に行いました。

同氏の談:「我々の設計環境は直接的なものです。水圧は静的荷重であるため、我々の概念設計へ簡単に適用でき、水圧によって船体に生ずる最大応力を知ることができます。」

当然のことながら、圧力制御のための努力は主にパイロットを守るためのものです。深海飛行機の本体は鋳造アルミニウム製です。筒状ポッドの上端部は円柱中心軸からカーブを描くように離れており、着座しているパイロットに対して30 度の角度をなしています。ポッドの最も内側のカーブしている断面内に最大応力がDesignSpace によって検証されたときに、Hobson 氏は即座にポッドの肉厚を3 インチに、パイロットの胴部の肉厚を1 インチに、さらにパイロット脚部の肉厚を3/4 インチに変更しました。
「DesignSpace を用いることで、目前でアセンブリ全体を深海に沈めた状態を再現し、解決すべき問題点を知ることができるのです。これが大きな時間の節約をもたらしてくれるのは言うまでもありません」とHobson 氏は述べています。

Hawkes 氏は、研究開発用および産業用の有人潜水艇の70 パーセント以上を設計し、すくなくとも300 基の遠隔操作潜水調査船(ROV )を設計しています。同氏の業績は、Scientific American 、National Geographic 、Time BusinessWeek 、及びThe New York Times and Dozen of scientificand engineering journals 等で紹介されています。同氏が設計したMantis はジェームスボンド映画である‘For Your Eyes Only ’にも登場しています。


個別の乗員圧力ポッドを持つ二人用ウォータークラフトの概要。ポッドにおける応力分布を表示。

ANSYS Solutions Volume 3 、Number 1 より転載

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